第45回自治体学校

自治体問題研究所主催の第45回自治体学校に参加してきました。 いま、小泉「改革」による日本経済の混迷と国民生活の圧迫が進行し、また有事法制やイラク派兵など日本を再び戦争にする国にしようとする動きが強まっているなかで、地方制度調査会「中間報告」や骨太方針第3弾による「三位一体」改革、行財政改革、市町村合併、公務員制度改革など、地方自治体のカタチと中身が大きく変えられようとしています。

分科会で、「単独を決めた。これからの街づくりこそ勝負のとき。その道を探りたい」と、水産業を中心とする境港市の経済状況、単独を選択した市民の想い、これからの課題などを発言しました。また夜の市町村合併問題の交流会でも、境港市でのこの間の運動について報告してまいりました。


住民参加型政治システムを学ぶ

学校は、それぞれの課題をどう捉え、どう対処し、どのような運動を地域・職場からすすめるか、学習し、交流し、探求しあう場所として開催されました。とくに、平成17年3月末までと、雪崩打つような市町村合併への動きが加速するなかでの開講となり、予定した人数を300人もオーバーする1,300人の参加と、熱気にあふれた学校でした。

学校では、3日間を通じて、「住民参加型の政治システムをつくる」をテーマとした徳島の吉野川可動堰建設反対運動などにまなぶシンポジューム、「地方自治構造改革の現段階」と題した大阪市立大学加茂利男教授の記念講演、30に及ぶ分科会やワークショップ、教室、交流会などで構成され、私は、シンポ、記念講演と、「地域調査から産業政策づくりへ」の分科会、および「市町村合併問題」交流会に参加しました。

■ シンポ「住民参加型の政治システムをつくる」では、徳島から4つの運動報告が行われ、意見の交換がおこなわれましたが、吉野川の可動堰建設反対運動のリーダーとなった姫野雅義氏もはじめとして、立ち上がったのは、吉野川が大好きな主婦の集まりやつりキチのグループ。氏も日ごろは司法書士として生きてきた人間で、「住民運動」とはあまり縁のなかった方たちだったという。この人たちが、国を相手に、可動堰を中止させ、いま吉野川の将来を市民の手でと、緑のダム構想を提案し、研究へ自治体の補助金も獲得するなど、公共事業における市民と自治体の新しい関係をつくりあげるまでになっています。

昨年4月、市民のバックアップを受けて徳島に新しい知事が当選しましたが、これをリードしたのは、まったくの主婦、桑折千恵子さんたちでした。残念ながら大田新知事は、11ケ月の短命で終わるのですが、前知事の汚職・逮捕から始まり、市民「勝手連」の結成と太田知事の勝利、知事の汚職調査への県議会の抵抗、それなら県民のでと始めた100円募金運動のとりくみなど、この方の報告も大変、面白いものでした。

また徳島県木頭村の細川内ダムを建設中止に追い込んだ住民運動や高速道路インター建設にともなう海浜埋め立て計画の政策決定過程に対する住民参加システムの事例報告もありましたが、吉野川の運動から始まった徳島県の住民運動が、県知事選での一進一退はあるものの、いま、地方自治の新しい担い手、市民が着実に成長しつつあることを実感させる報告でした。そして、その前進のなかにある教訓=結論の押し付けではなく、ともに考える姿勢の大切さをあらためて学ぶことができました。

■ 境港市の地域経済の深刻さは繰り返すまでもありません。私は、3月議会で「すべては実態の正確な把握からで、これは政策立案の初歩だ」と、全事業所の実態調査を提案しましたが、市長は「その考えはない」との返事でした。大変、情けないことです。

分科会「地域調査から産業政策づくり」に参加したのは、ここをなんとか、切り開きたいと願ったからですが、この分科会では京都・城陽市の住民による事業所実態調査、大阪・守口市の地域経済活性化への運動報告、また徳島大学の中嶋教授による徳島県上勝町の、そこらじゅうにある柿や桜など木の葉やつぼみを、料理人が使う妻ものとしておばあちゃんたちが商品化し、2億円事業にまでにした「彩・いろどり」事業を報告されました。

また日本福祉大学の磯部作教授の基調講演がありましたが、氏は、いま外から大きな企業を引っ張ってくればよいという経済政策では地域の自立的な発展はありえないこと。それぞれの地域の環境や資源、文化などの「地域性」を活かした産業を発展させてゆくことが大切と、さまざまな事例をあげて強調。そのためにも、いまある産業や資源のもつ問題点の解明と、地域調査などによる地域資源の再評価や新たな掘り起こしが必要だと指摘しました。このことを境港で、どう具体化するかです。

話のなかで「境港ブランド」が飛び出すなどびっくりし、挨拶にいき名刺も交換したら、氏は岡山市に在住し、地域漁業学会の幹事も勤められているとのこと。境港にもよく来ているが、仕事や調査できたことがなく、いずれ機会をえたいと思っているとのことで、いろいろお話しし、近いうちに再会しようと約束して別れました。

■ 最初の基調講演でも、また磯部教授の話のなかでも、7月20日の境港市が合併を拒否し、単独自立を決めたことが、喜ばしい出来事として紹介されました。全国に大きな激励になったのだなと、いまさらながらに実感しました。