2006年 6月議会

反対討論 ■ 低所得者増税。市税条例改正に反対
一般質問 ■ 同和偏重の人権政策の見直し
一般質問 ■ ジェネリック普及へ医師会などとの相談を
反対討論 ■ 教育基本法の改正に反対する
態度見解 ■ 竹島『意見書』をめぐる態度と見解

低所得者への増税。市税条例改正に反対

非課税世帯に新たな重税

これは地方税法改正にともなう条例改正案ですが、個人住民税の均等割及び所得割の非課税限度額引き下げを含むもので、これまで非課税だった、暮らし困難な低所得者への増税で、さらに追い討ちをかけるものです。
小泉政権の庶民大増税の地方税法の改正にともなう、自治体からいえばいやおうのない条例改正ですが、市民の声の代弁者として同意するわけにはなりません。

議会軽視を許してはならない

なお、この議案が専決処分の承認議案として上程されたことについて。今回のケースは、地方税法の可決成立3月末で、4月1日施行ということですから、市議会を招集する余裕もなく、やむなく市長の専決処分となったもので、理解したいと思いますが、地方税の賦課徴収、市税条例の改正など、市民生活と市政運営上の基本にすわる重大議案です。やはり専決ではなく、議会の審議を経て施行されるべきものです。ところが昨年6月市議会に続く専決処分で、こうしたケースが増えているように感じられます。市民の代表である議会のチェックを軽んじるもので、こんなことを当たり前にさせてはなりません。こんなやり方は正せ、という声を国にあげてゆくべきだと考えます。

同和偏重の人権政策の見直しを

定岡敏行市議 もはや「社会的問題ではなくなった」部落差別についての研修や啓発が盛んにおこなわれ、多くの補助金・負担金の支出(別表)が行われている。
いま、働くものの権利も子どもたちの健やかに育つ権利もいったいどこにいったと言う世の中だ。憲法25条がすべての国民に保障しているはずの「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」を、どうこの地域に具体化してゆくのか、人権全般をいうなら、8年連続3万人もの自殺者という現実を前に、行政としてやるべきことが山ほどあるはずだ。ところが人権政策行政は、同和研修、啓発に偏重している。補助金の支出先となる団体の事業報告書や決算報告書をみれば明らかだ。この同和偏重の人権政策を見直し、同和に関わる補助金を廃止すべきだ。
境港市に被差別部落はなく、全国的には13兆円の事業費をつぎこみ33年に及んだ被差別部落への特別対策で、かってのような狭隘な住宅、過密な人口、非衛生的な生活環境など部落内外の格差は解消され、特別措置法も平成13年度で終結した。国民意識も進み、旧身分へのこだわりはほぼ脱却し、部落外の人との結婚=通婚も70%を占める。「社会問題としての部落問題」はなくなった。
にもかかわらず、この同和研修の補助金は温存され、職員や先生、保育士さんたちが動員され、現場からは「忙しいのにかなわん」という声だ。ここを見直せば、先生や保育士さんたちは、もっと子どもたちに真向かい、人権政策課の嘱託も、いま市民が困っている社会的にホットな権利侵害に取り組めるではないか。
中村勝治市長 特別措置は終了したが、まだ差別、偏見は残っており、これからも人権のひとつとして必要な取り組みだと考える。
定岡敏行市議 部落差別がまだなくなったわけじゃないというが、この境港市で最近、どんな差別事件があったか。
安倍和海総務部長 落書きがあった平成10年ごろ結婚問題で差別事象があった。
定岡敏行市議 10年さかのぼって2件、3件だ。結婚や就職で出生が問題にされ、青春や人生を奪われてきた時代を思えば、すごい変化だ。差別的言動があったとしても、「そんなこといっちゃいかんよ」と注意すれば、本人が恥ずかしい思いをする時代じゃないか。
このために、部落に生まれ育った人々もたたかってきたのだし、同和教育や同和啓発も役割を果たしてきた。ほぼ解決したなら成果を喜びあい事業を終結する・・・それが当たり前だ。特別な体制までとった同和研修、同和啓発の継続、その合理的理由があるのか。
中村勝治市長 現状は定岡議員のおっしゃるとおりだが、差別のない社会をめざす全県的なとりくみで必要なとりくみだ。
定岡敏行市議 県人権文化センターの記録によれば、平成16年度242件の相談件数のうち同和問題はゼロだ。それでもこれがやめられないのは、部落解放同盟という団体の圧力があるからだ。
かって13兆円つぎ込んだ同和特別事業で、『窓口一本化』といって、こうした事業が部落解放同盟を経由しなければできない、そういう仕組みまでつくって、一部幹部は私腹を肥やしあちこちで「同和御殿」がたった。部落解放同盟が利権集団へ変質した。
彼らにとって、部落対策がなくなると甘い汁を吸うことができない。「差別はあり続けなければならない」のだ。部落差別が無くなるまで、心のうちまで問題にして、それがある限りはといえば、同和事業は未来永劫続くことになる。それが思惑で、子どものいたずら書きでもあればもう大変。教育がなってないからだと、市長や教育長、行政の幹部を何日にもわたって暴力的な糾弾が続ける。ここに部落解放同盟の編集した糾弾会に関するマニュアルがあり、「糾弾は当然の権利だ」といってやり方まで解説している。
教育長、同和教育振興会議という団体は、教育長や学校長などが参加し、部落解放同盟の指針のもと同和研修を実施しているが、これで教育の中立性が保てるか。
根平雄一郎教育長 私も地区のある学校へ赴任したことがあるが、裏では心無い差別もまだある。補助金は、同和のことだけではなく、同和を基盤として女性、ハンセンなど幅広い人権問題に使われていると考えている。
定岡敏行市議 平成8年7月26日付の閣議決定『同和問題の早期解決に向けた今後の方策について』という文書があるが、特別対策を終える今後の課題は、『行政の主体性の確保、教育の中立性の確保』だと言っている。そう書かなければならない異常な事態がずっとあった証拠だ。
境港市に人権政策課ができたのが平成15年度だが、それは、平成13年度に特別対策が終わり、このままじゃ、利権、解放同盟の存在意義を失いかねないから、『これからは人権全般のなかに同和を基幹としてという方針に転換』(特別措置法失効にあたっての解放同盟決議)したからだ。そのあと、米子市も鳥取市も同和対策課を人権政策部に格上げし、部落のない自治体まで担当部課をつくっていっせいに人権、人権といい始めた。同和利権を食いつなぐ隠れミノだ。そういうところへ、これだけ大変だという境港市が103万円だして、それで市長の合理的精神が許すのか。
中村勝治市長 人権担当していた頃からいまも、いわゆる圧力とか働きかけはいっさいない。主体的にとりくんでいる。

ジェネリック普及へ医師会と相談を

定岡敏行市議 3年前、市民病院的性格をもつ済生会病院での活用を提言したが、当時はまだ後発薬のことがあまり知られておらず、「医師の判断にまかせるべきもの」という答弁だった。今回、私は、二つのことを提案しご検討をお願いしたい。
(1) 普及には、医師の理解と協力が大切。そういう医師のみなさんと、たとえば国保運営協議会とか医師協会との懇談などを検討すべきだ。
(2) TV、新聞での広報もあり、ずいぶん知られてきたが、医者を前に「ジェネリックにして欲しい」とは言い難いものだ。その助けに「ジェネリック相談カード」というものが作られている。市報や国保だよりでの周知、検診活動や公民館活動などでの配布と、広報・周知に努めたらどうか。
中村勝治市長 国としても積極的に取り組み、普及が進むものと思われる。相談カードの配備は、いま考えていないが、患者負担の軽減にもなる、主治医とよく相談していただきたいし、国保運営協議会、医師協会、済生会病院などとの会合で、活用について協議したい。

【解説】 新薬の開発にかかる費用回収のため、開発メーカーには独占的販売期間が認められていますが、その期間が過ぎれば他の製薬会社も、おなじ効能、効き目をもつ薬を製造・販売ができるようになります。生物学的同等性検査を経て、新薬と同じ有効性・安全性をもつ医薬品が、厚生労働省の認可をえて販売されています。これが後発薬=ジェネリック医薬品で、新薬に比べて2割から8割も安い、低価格が特徴です。 アメリカ、イギリスなど欧米諸国では薬剤使用量の50%を超えていますが、日本では大変遅れて16.8%です。医療改悪で大変な患者や国民健康保険など自治体の莫大な総医療費の縮減になりますし、薬剤コストに引き下げへ普及をはかる病院も増えてきています。

教育基本法改正に反対を

6月議会に鳥取県西部革新懇話会から教育基本法の改正に反対する陳情が出され、総務文教委員会委員会は、不採択にという結論で本会議にかけられました。この扱いをめぐって23日の本会議では、まず定岡市議が、不採択に反対し、下記のように採択を求めて討論、続いて松下克市議が、不採択に賛成する討論、さらに松本煕議員が反対討論をおこないました。採決の結果、定岡、松本の2名が不採択に反対、あと14名は賛成し、この陳情は不採択とされました。

自民党、公明党が強行しようとした教育基本法は、「国を愛する態度」=いわゆる愛国心など20項目もの「徳目」を「教育の目標」にかかげ、その「達成」を学校と子どもたちに義務づけるものです。
子どもたちが「市民道徳」を学ぶことは大切です。よその国を目の敵にしたり、違う民族をさげすんだりせずに、国を愛し世界の人びととの友好をひろげることも大切な「市民道徳」の一つです。しかしそれは、法律で義務づけ強制してできるものではありません。何を愛するか愛しないかは、人の心のうちの問題で、他人が強制したり、目標を定めて達成度まで競う問題ではありませんし、できる問題でもありません。
「愛国心通知表」の問題をとりあげた志位和夫委員長の質問に、小泉首相も「愛国心を評価するのは難しい」と答弁せざるをえませんでした。誰に見えるわけではない心の内を、どう推し量るのか、評価するのか・・現場の混乱はひどいもので、君が代を歌うときの声の大きさまで尺度にしたところもあった。心の持ちようが点数に結びつくと思えば、おべっか使いが増えるのが当たり前です。いたいけない子どものときから、そんなことを身につけさせる・・・それが教育でしょうか。
愛国心評価の通知表が広がったのは、学習指導要領に盛りこまれたからですが、これがこんど法律として決まれば、いったいどういうことになるか、想像することはたやすいことです。
改悪をたくらむ勢力は、まるで少年非行やニートの増大も、ホリエモンも村上ファンドも教育基本法のせいかのようにいいますが、ニートの増大には、社会、労働、雇用それぞれに基盤が破壊されてきた問題があり、ホリエモン、村上ファンドは、大資本の活動野放しという規制緩和こそ最大の要因。少年非行の増大についていえば、教育基本法の精神を十二分に生かしてこなかった自民党政治こそ問題です。そこを正さずに、教育基本法に"濡れ衣(ぬれぎぬ)"をきせて改変では、教育現場の混乱と進行する社会的危機をいっそう深刻にするものです。
教育基本法改正の狙いはなにか。ねらいの一つは、憲法9条を変え、「海外で戦争をする国」をつくり、そういう国の方向、国が決めたことに従順にしたがう子どもたちをつくりだすこと。もうひとつは、自民党、公明党がすすめる弱肉強食の競争経済で、「負け組」になっても文句をいわない人間をつくろうとするものです。
作家で元教育課程審議会会長の三浦朱門は言いました。 「非才、無才には、せめて実直な精神を養っておいてもらえばいい」 。ノーベル物理学賞の江崎玲於奈・元教育改革国民会議座長も言いました。 「それぞれの子どもの遺伝情報に見合った教育になっていけばよい」 ・・・ここに一貫しているのは、"できる子どもにはきちんと教育し、できない子どもはほどほどにしておけばよい" という差別的な選別思想です。私たちの子どもたちの未来を、そんな時代にしてよいのでしょうか。
現行の教育基本法は、すべての子どもたちの「人格の完成」をはかることを「教育の目標」としています。日本共産党は、教育基本法の、この理念を生かした教育をいっそう充実することこそ、子どもたちのすこやかな成長をはかる道だと考えます。
だいたい、国民にはゼロ金利を強いて大変な苦渋を味あわせながら、自分は村上ファンドへの1000万円もの投資で、万余の大儲け・・・こんな日銀総裁、それでよしとするモラルも地に堕ちたトップリーダーたちのもと、愛国心が育つものか!健全な社会規範が育つものか。そこをこそ変えよ、これが国民のまっとうな声です。

竹島『意見書』をめぐる態度と見解

この議会に森岡利夫議員(蒼生会)から「『竹島の領土権の早期確立に関する決議』と『日韓新漁業協定の実効ある管理体制の早期確立及び監視取締体制の充実強化に関する決議』を出したい」という提案がありました。 漁業協定の確立と監視体制の充実強化を求める、あとの決議には賛成ですが、竹島については、簡単には賛成できず議運で慎重な取り扱いを求めました。全会一致とならないため、最終日の本会議に、『意見書』という形で上程されましたが、定岡敏行市議は、『竹島意見書』に棄権(賛成も反対もしない)という態度をとりました。 なぜ、賛成できないのか、本会議では意見をいう場がありませんので、議運で述べた私の意見の要旨を紹介しておきます。 この意見書は、定岡議員と松本煕議員が棄権、残る14名の賛成で可決されました。

道理ある主張と粘り強い外交交渉こそ

(1) 1905年、日本が竹島を島根県に編入してから、歴史的にも国際法上も日本の領土だということは明白。戦後、韓国が一方的に占拠し実効支配を既定事実化しようとしているが、こういうやり方は道理がない。
(2) しかし、1905年の領有手続きについて韓国は、「あれは日本による植民地支配下におこなわれた違法な措置」という主張をしており、これは、当時の状況からみて検討すべき問題だ。
(3) いずれ仲良くしていかなければならない隣国同士のこういう争いごとは、いたずらに刺激しあうのでなく、道理を尽くした落ち着いた外交交渉で粘り強く解決をめざすことが大切だ。
(4) 昨年の島根県議会の『竹島の日』決議が、日韓関係に深刻なあつれきを引き起こしたが、この『決議』は、あつれきを拡大しかねず、正しい解決の妨げになりかねない。漁業者の願いが切実なだけに、慎重にすべきだ。

漁業者の願いの妨げになりかねない


(5) 要望の後段に「境界確定交渉(EEZ)においても竹島の領土権早期確立を踏まえた交渉を」とあるが、橋本内閣のときにEEZは竹島の領有権問題とは切り離してすすめるという合意が日韓のあいだでおこなわれ、それに基づいて進められている。これでは、漁業者が早期解決を願うEEZ交渉に、新たな混乱を持ち込むことになりかねない。

メモしかなく、整理すればこういう発言だったとお考えください