全体計画の見直しを

境港市の公共下水道事業はいま

昭和58年に事業開始した当市の下水道事業は、ほぼ市内全域を対象区域とし、平成28年までの 第5次境港市公共下水道計画推進の過程にあります。すでに321億円を投資し、水洗処理可能区 域は520.5haで12,570人。33.4%の普及率です。

この事業は、概算事業費総額852億円、この先500億円という巨額の費用と長期の年月を要す る事業です。平成13年度だけでも、約7億2千万円の一般会計からの繰入金、7億8千万円の借 金返済と、この事業の嵩む費用負担が、市財政硬直化のひとつとなっています。

実態の2倍の過大な需要予測。全体計画の見直しを

現在の計画は、目標年次である平成28年に41,300人という人口、1,900億円という工 業出荷額を予測し、一日最大48,000立方mの汚水量をはじき出し、施設規模、汚水管径など を決め、今日までこの計画のもとで整備されています。

ところが、合併問題資料によれば、平成27年の人口予測は33,457人です。人口で約7,8 00人、計画の20%もの減少見込みです。工業出荷額は700億円前後で推移しています。仮に 1,000億円と見込んでもおよそ半分です。そのうえ、一日一人がだす汚水量を最大699㍑と していますが、現実には、境港市の平成13年度実績でみても、最大は約400㍑で、計画の69 9㍑の実に57%です。

計画より約20%も少ない人口の、一人当りの汚水が43%も少ない。単純計算すれば、全体計画 の予定する家庭系の総合汚水流入量は28,858立方mに対し13,400立方mとなり、半分 です。工業系もほぼ半減ですから、汚水管の大きさや中継ポンプ場施設などを見直せば、総事業費 の85%を占める汚水管渠の建設工事など、何十億円の節約にもなります。

3分の一でできる。合併処理浄化槽も活用を

コミュニティープラント(小規模な集合処理)や合併浄化槽による複合的な汚水処理計画への全体 的見直しも必要です。

合併処理浄化槽は、95年の構造基準改正で、公共下水道施設に匹敵する浄化能力をもつようにな り、耐用年数も住宅と同等で、いま国も推進の方針です。投資単価は、現在のところ、公共下水道 が一人当り177万円ですが、合併浄化槽は、一戸で100万円といわれていますから、世帯平均 3人として一人当り33万円です。公共下水道が高いのは汚水管の建設費です。全体計画でみても 852億円のうち85%が汚水管の建設費。合併浄化槽は、それが不要です。

現在の公共下水道計画では、この先500億円の事業費がかかるとの見通しですが、未処理区域の 約8,000世帯、ここを全額公費で合併浄化槽を設置しても80億円でできます。社会情勢の変 化に即応した見直しをおこなうべきです。

早期整備で中海をきれいに

中海はじめ三方を海に囲まれ、その海の幸を大切な資源としている境港市にとって、早期の下水処 理が必要です。現在の公共下水道計画では、渡や外江は、20年先、30年先となります。合併浄 化槽なら一戸が一週間ほどでできます。全体でも数年で全域の整備が可能です。20年、30年先 まで、中海に生活雑排水を垂れ流しにするのではなく、早くきれいな水にして、中海に浄化の時間 を贈ることができます。