合併処理浄化槽設置事業
2007. 02. 22
2月15日、16日の二日間、長野県下條村と浄化槽システム協会(東京都港区)で、合併処理浄化槽設置事業について視察しました。
(1)
下條村では15日、荒井、平松、松本3市議といっしょに調査、私は16日上京し、浄化槽メーカーの団体、浄化槽システム協会(東京都港区)を訪問し、さらに調査を重ねました。
下條村では、検討の結果、全村を合併処理浄化槽事業でおこなうことを決め、平成2年から実施し、平成15年度末に900世帯ほどの計画のうち96%を終えた。それで総事業費は6億3千万円。県補助金、約2億、国補助金、約2億円で、村の負担金は2億2千万円で終えた。全額単年度処理でおわり、後年度負担なしである。7人槽の場合、総費用は691,000円(定額)で設置。個人負担は18万円。維持管理は村で業者に委託し、設置時の水質検査料12、000円と年一回の同検査料5,000円を補助。このほか、平成16年度から保守点検料年間21,000円のうち半額を補助している。2~3年に一回の汲み取り料は個人負担とのことであった。
公共下水道とは比較にならないこのイニシャルコストの安さ、全額単年度処理で済んでゆくとは! 借金なしでやっていける下水道事業とは! 住民にとっても18万円ですむ受益者負担金とは!・・・びっくりし続けのヒアリングでした。
(2)
16日、社団法人浄化槽システム協会では、茂木良彦専務理事、酒谷隆宏技術部長が応対してくださいました。
浄化槽機能をめぐる最新の技術動向についてのレクチュアでは、生活系有機資源回収・再利用とか省エネ、汚泥貯留層別置型による清掃作業性の向上といった多機能化にあり、まだはじまったばかりだが、生ごみも同時処理するディスポーザ対応型も製品化されてきているとのことでした。またコンパクト化や処理水質の高度化が引き続きおこなわれ、家庭用の出荷も、高度処理可能タイプに移ってきているとの説明でした。
コスト比較で考えれば、自治体にとっても住民にとっても浄化槽方針が格安であることは疑いようもありません。問題は、住宅面積の狭隘なところで整備できるかどうか、整備後の維持管理が適切にできるか、料金、将来見通しはどうかなどがあり、また公共事業が減るなか公共下水道に期待している土建業界をどう軟着陸させるかという問題もあります。市町村で推進する場合の課題についていろいろ勉強させていただきました。
「以前、公道の下に汚泥貯留槽を設置できる分離型というのを聞いたことがあるが?」との問いには、「本体が大きいからだったが、いま本体自身のコンパクト化でなくなった」が、「公道の路面下の設置はいま、道路管理者の許可さえあれば、法的にネックはないし、今年から複数戸で共同設置する場合にも補助金がでることになったから、公道の下という考え方もでてくるだろう」との見解でした。
よく議論がでる耐用年数についてもうかがいました。公には「30年以上」と言われているが、それは国で議論になったとき、まだ30年しか経っていなかったからで、いまなら「40年以上」といえるとのことでした。
浄化槽の耐震性については、「阪神大震災のときはほとんど被害がなかったが、中越地震のときは被害がでた」そうです。地質の違いだとのことで、砂状のところでは浮き上がる形になったようです。
そのほか、し尿有効活用の事例、浄化槽整備士の資格の問題、合併浄化槽整備の先進地の経験などをうかがいましたが、「コスト比較をおこなっている自治体はたくさんあるけれど、境港市のような住宅区域を、広く切り替えた自治体はまだないのではないか」との答えでした。そして、自治体のとりくみに詳しい団体として、財団法人日本環境整備教育センターを紹介していただき、勉強を終えてきました。





