2007年 3月議会

3月7日から27日まで、境港市議会がひらかれ、主に新年度予算案審議がおこなわれました。 私は、広域行政管理組合のつくった灰溶融施設の欠陥を指摘、自治体の負担は筋違いだと主張し、メーカー責任を追及するよう提案しました。 また、一般会計予算案に賛成、国民健康保険特別会計予算案と下水道事業費特別会計予算案に反対。「安全で安心なまちづくり推進条例」の制定に反対しました。 ■3月議会報告PDF版はこちら■

メーカー責任の追及を -― 灰溶融炉問題で

定岡敏行市議 予算案に、西部広域行政管理組合の灰溶融炉の補修費負担増額分の4500万円が入っている。調べてみたら大変なことになっている。
焼却残渣、リサイクルセンターの不燃残渣、下水道汚泥などを高温で溶融すれば、大幅に減容化出来るから最終処分場の延命化になる。溶融スラグは土建資材として再利用できる。こういって岸本町に38億円かけ溶融施設をつくった。
3年間の補修はメーカー負担だったが、平成19年度からの維持補修費を見積もりさせたら、設計時を2億3,4千万円も上回る金額で、今後10年間におよそ20数億円もの新たな負担を迫られる事態になっている。
メーカーは「不燃残渣やプラスチック類が多いため耐火材の浸食が早まり、高価な耐火材を使うことになった」というが、欠陥施設としてメーカーが責任をおうべきことではないか。

ご指摘のとおりで、耐え難い負担だ

中村勝治市長 ダイオキシン対策、ゴミの減容化には役立っているが、ご指摘された問題も事実で、長期にわたる多額の負担金になる。市民の協力も得て行革もやり、やっと果実が生まれたところ、それがこういった施設の維持管理費に消えてゆくのは耐えられない。 メーカーの瑕疵があるのか精査して、あるなら3年間の担保期間中に申していかなければと検討している。

25日までに法的てだてを

定岡敏行市議 検討するというが、私が心配なのは、責任の追及は「引渡しのあった日から3年以内」(契約書44条)でしなければならない。3月25日までで、あと10日ちょっとだ。弁護士の意見では、単に「交渉をしている」というだけではダメで、最低でも内容証明郵便を出しておかねばならない。その手が打たれているのか。
中村勝治市長 相手方があることでもあり、これ以上の答弁は差し控えたい。

目的達せぬ、欠陥施設

定岡敏行市議 建設目的に照らして、もっと検討すべきだ。溶融すれば18%にできる、33%になる、夢のような施設だとやった。ところが、容積についてはどれだけ減ったか計量もされていない。重量ベースで半分にもならない。欠陥施設といわざるをえない。

今後、使うかどうかも含めて検討する

中村勝治市長 建設当時は、それ相応の考えが構築されたものと思う。維持補修が予定したようにはいかなくなったということで、欠陥施設とは言えないと思う。良い方向を見つけていくしかない。この施設を使うかどうかも含めて対応したい。
定岡敏行市議 当時の判断として妥当というが、この問題がでたのは、私が議会に来て最初の議会でした。私は「灰溶融は未完の技術だし、維持費が必ず高くなる」と指摘したんです。ホヤホヤの議員ですよ。なのにベテランの行政のみなさんが、こんな計画をするんですか。責任を問えないようなぐすい契約をするんですか。 責任も問えない、住民負担になる、ご理解ください・・・で、理解できるものか。
中村勝治市長 定岡議員と同じ気持ちだ。だがいま、私が責任を負えるものでもなく、これからどうするか、解決することで応えたい。
定岡敏行市議 今後この施設をどうするか、いずれ議論したいが、3月末までをめぐって、「また間違った」と後悔することがないようにしていただきたい。

中学校給食もなしで、インパクトあるか

一般質問で定岡市議は、夕日ケ丘販売策と重ね子育て支援について再び市長へ問いました。 
定岡敏行市議 保育料の引き下げは、抜本的な販売策の一つとして大賛成で、夕日ケ丘保育園の認可などとあわせ広く発信したいが、果たしてこれで、境港市に、夕日ケ丘に、耳目を集中できる「他都市との差別化」、「インパクトある施策」と言えるか。
子育て世代にほんとうにインパクトある施策とするために、中学校給食、小学生の医療費無料化ぐらい、早く実施すべきではないか。
中村勝治市長 厳しい財政難のなか平成19年度は保育料引き下げをおこなった。定住化につながるよう期待したい。

福祉・教育充実の予算と評価

平成19年度一般会計予算案には、灰溶融炉費用をはじめ、賛成しがたい部分がありますが、保育料大幅引き下げや低所得者への支援強化、全小中学校校舎の耐震診断など、歓迎すべき福祉・教育充実の施策が多くもりこまれています。定岡市議は、この原案可決に賛成しました。

改憲手続き法の慎重審議を求める陳情を不採択

市議会本会議は、「憲法改正手続き法案の慎重審議を求める陳情」を、賛成多数で不採択にしました。不採択に反対したのは、定岡、松本、長谷の三市議だけでした。
憲法改悪につながる手続き法案が国会審議中ですが、公聴会では改憲賛成の人からさえ、「審議不十分」という意見が相次いでいます。

安全で安心なまちづくり推進条例制定に反対

「安全で安心なまちづくり推進条例」は、「自らの安全と地域の安全活動に努める」ことを市民の責務とし、行政と市民、警察がいったいとなった地域安全活動を推進することを「条例化」するものです。
私も、子どもたちの安全への不安が広がっていることはよく承知しています。「自分たちにもできることをしよう」という登下校時の見廻り隊や地域パトロール活動への市民の自発的な参加も、さすがのことと感心し、そのご苦労に感謝もしています。
しかし、市民が自発的におこなうことと、条例で市民と行政の役割を定め、行政が警察といったいとなって地域安全活動に乗りだすこととは、まったく次元の異なる問題です。
1)理由となっている「子どもたちをめぐる凶悪犯罪が増えている」ということはほんとうでしょうか。私は境港警察署にうかがい、警察庁や鳥取県警発表の犯罪白書など、勉強させていただきましたが、まったく事実に反することです。
■ 犯罪が増えているという例証によく使われる『犯罪白書』の《刑法犯認知件数・検挙人数》のグラフは、警察が訴えを受理した「認知件数」であって犯罪件数ではありません。2000年からの「認知」件数が急増しているのは、その前年の1999年に、桶川ストーカー殺人事件というのがあり、本人と家族から繰り返しあった被害相談を受け付けなかった警察が、世論の批判をうけ、全国的に被害届を、まずは受理するようになったからで、犯罪の実数が増えた証拠ではありません。
■ 警察にはもともと、少年犯罪の統計はあっても、子どもが被害者となった事件は統計さえありませんでした。調べてみたら厚生労働省の『人口動態統計』に『年齢別、加害に基づく傷害および死亡人員の推移』という統計がありました。それによると、他人からの危害によって死亡した者の数自体、明らかに減少傾向にあり、その内、子どもを被害者とするものは、長期にわたって減少傾向にあるのです。
2)ではなぜ、「犯罪社会への不安」が広がっているのか、それはかってと違う「かき立てるような」TV報道、一つの事件が毎日まいにち、すべてのチャンネルを占領するかのように、繰り返し微にいり細にいり、憎悪を掻き立てるような過熱報道の結果です。
3)残念ながら昔もいまも、痛ましい事件がないわけじゃありません。しかし、そんな実態のない不安に掻き立てられ、市民が「不審者探し」のパトロール、お互いに不審の目で監視しあうような地域にしてよいのでしょうか?
社会は様々な仕事をお互いに担いあうことで成り立っています。仕事が違えば生活のリズムも違い、富める者もいれば貧しい者もいます。精神や知的障害をかかえた人、また地域によってはホームレスもいたりします。それでも共生しあっていくのが地域です。いろいろなハンディがあって、普通の市民とは異なる生活リズムやスタイルの人々の、「普通の挙動」が「不審な挙動」として「警察に通報」、こうなってゆく危険はないでしょうか?
関係者は「それは杞憂だ」と言われるでしょう。ですが「生活安全条例」をつくった武蔵野市の2002年7月1日広報は、「不審な行動をとる人を厳しい目でみつけだし、すばやく警察に通報」と書いたのです。いったん踏み出せば、必ずそうなってゆくのです。
行政が、事実の検証もなしに不安を掻き立て、市民のあいだに不信を広げ、お互いが「警察」の目で監視しあう、そんな地域づくりの先頭にたつことなど、決してあってはなりません。政策決定は「事実を基礎にした、科学的な検証に耐える」ものにして欲しいものです。