生ゴミ堆肥化交流会

1)
鳥取県西部広域行政管理組合が進めてきた大型焼却場建設計画の「凍結」は、こんごの西部地域の一般廃棄物行政にとって大事な決断でしたが、それは同時に、ゴミ減量化への本格的な努力をこの地域に求めており、そのためには可燃物の半分をしめる生ゴミ問題の正しい解決が避けられない課題となっています。
境港市も平成16年度から、生ゴミ分別・収集のモデル事業を進めていますが、現在、大手スーパーやレストランなど民間ベースでおこなう事業所ルートで年間約1,000トン、市内の小中学校や保育所など行政ルートで給食残渣などを約28トン処理しているが、市民ルートは7団体80世帯ほどの協力で、年間8トン余の分別にとどまっており思うほど進んではいません。いっそうの促進にはなにが課題か、行政側のとりくみで打開すべき問題はどこにあるか、こうしたことが問われています。
これらの勉強のため、07年8月28日、東京・早稲田大学国際会議場で開かれた『生ゴミリサイクル交流会2007』に参加してきました。

これは“生ゴミは大事な地域の宝”だとして、堆肥化やそれを生かした有機農法の推進を中心テーマに、NPO法人有機農産物普及・堆肥化推進協会(理事長・瀬戸昌之東京農工大教授)が主催し、ゴミ減量化にとりくむ市民団体、NPO法人、研究者、事業者、自治体当局者や議員などがつどう全国会議ですが、15回目を数える今年は、約500名の参加者との発表でした。
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会場となった早稲田大学国際会議場

2)
会議は、午前中の全体会議と午後の4分科会という形で開かれ、私は『市民と行政の協働で生ゴミ減量・堆肥化推進』の分科会に参加しました。
全体会議では、(財)日本土壌学会専務理事の猪股敏郎氏から、キャベツやイチゴ、白菜など各地の実践事例を通じて、生ゴミ堆肥の施用効果が報告されました。
また、環境保全型農業をすすめる長野県高山村の事例報告が、高山村産業振興課職員やJA須高りんご部会の人によっておこなわれ、「行政と住民との協働」についての分科会では、愛知県豊明市や埼玉県戸田市のとりくみが担当市職員によっておこなわれました。
人口7,900人の高山村では、かっての農村地帯から高度成長期にベットタウン化し非農家人口が増えるという状況で、問題となってきた生ゴミの焼却をやめて、昭和57年から農家・非農家を含めコンポスト活用の方針をうちだし、その後、堆肥化施設の建設もおこない生ゴミの堆肥化を促進した。その堆肥の農家で活用、こういう村づくりの資源循環に力をそそいだことが、化学肥料でやせてきた地力の回復、おいしい付加価値の高いりんご生産につながり、ブランド化にも成功してきたということです。
豊明市(名古屋市に隣接する人口68,400人。面積23.18平方km)では、やはりベットタウン化がすすみ埋立処分場の枯渇が問題になるなか、可燃ごみの減量化を目的に、平成11年度から約半分をしめる生ゴミの堆肥化に、行政主導でとりくみをはじめた。
まずは協力してもらえる自治会を手始めに、生ゴミを分別、障害者施設の仕事として収集にあたってもらったりしながら、施設で堆肥化、市内の農家や家庭に販売というサイクルをつくっています。まだ2,500世帯程度のとりくみですが、昨年3月には日処理量3トン規模の堆肥センターも建設、来年には8,000世帯まで広げるとの計画のようです。
3)
いまおこなわれている山陰エコシステムと岡野農場をおいて他に、大規模に堆肥を利用するバックヤードがない境港市にとって、その形だけ真似してできることではありませんが、
① 塩害の心配、異物の混入などいろいろ問題が指摘されて、生ゴミ堆肥は農家からは敬遠されていましたが、そういう懸念はすでになく、農業の生産性を高めるほどになっているという事実。
② バックヤード=利用する農業者、農業地域と結んでいけば、大きな前進がはかれるという可能性。これこそ都市部と農村部を広く擁する西部広域が、広域的にとりくむ課題ではないでしょうか。
③ 市民、事業者、農家をつなぐコーディネートは自治体の役割。
こうしたことは、私たちにとっても学ぶべきものと感じて帰ってきました。よい勉強になりましたし、幾人かの研究者や自治体担当者とできたつながりは、こんごの研究の足がかりとなるものと喜んでいます。
以上。