2007年 9月議会

9月19日、境港市議会が終りました。私の一般質問の大要と市長答弁を掲載します。 今回、最終日の討論はありませんでした。 議会報告のPDF版もごらんください。思いっきりカラーバージョンにしてみました。


参議院選挙結果をどううけとめるか

自民党政治への決別

定岡敏行市議 参議院選挙での自民・公明へのきびしい審判は、年金ミスや政治とカネ疑惑、失言などへの一時的な批判ではない。弱肉強食の「構造改革」路線=社会保障の切り捨て、働くルールの破壊、地方切り捨ては、貧困と格差を劇的に拡大し、国民生活も地方の経済もがまんも限界にまで追い込んでいた。ところが安倍政権は、庶民の痛み、地方の怒りがまったくわからず、住民税大増税の強行につづいて消費税増税で追い打ちをかけようとさえした。
この自民・公明政治の枠組みでは、生きていかれない、地方は崩壊する、日本の前途もないという国民的な決別宣言ともいうものだ。
また、「戦後レジームからの脱却」、「美しい国」をスローガンにして、憲法改定を最優先課題として国民に押し付ける――この政権の危うさを見抜き、これに「ノー」の審判を下した結果だ。
ゆきづまったこの政治に代わる政治とはどのようなものか・・その国民的なアプローチはこれからだが、この面白い時代を拓くために、暴走する自民・公明政治にストップを!と、訴えてきた私たち日本共産党の論戦も役割を果たせた。
選挙結果を、市長はどのように受けとめられたか。こんごの自治体運営にどんなメッセージを汲み取られるか。

より市民の目線にたった市政運営に

中村勝治市長 政権与党、とくに自民党にとって厳しいものだった。年金や政治とカネ、閣僚の失言などが直接の要因と理解しているが、ご指摘のように、国民生活の現実や地方の疲弊に的確な政策がとられなかったことも、有権者の心が離れていく大きな要因ではなかったかと思っている。
市政運営にとっても敷衍すべきことで、民意の把握、市民の目線にたった市政運営によりいっそう心がけたい。住民にもっとも近い基礎自治体として、立場や実情など中央に対しても訴えていきたい。
定岡敏行市議 市長はこれまでも、国に言うべきことは言ってこられたが、もはや個々の政策で文句言っても追いつく事態ではない。お産もできないほどの地域医療の崩壊も、規制緩和や民営化、市場のことは市場にまかせよ、社会保障など国はやらないという自民党政治が根っこだ。これからの市政運営にあたって、その一つひとつの場面で、ここに立ち返って考えていただきたい。


後期高齢者医療制度の改善へ3つの提案

定岡敏行市議 後期高齢者(75歳以上)医療制度が来年4月から発足する。昨年12月議会で私は、「現代のうば捨て山だ」と反対したが、市が開催した説明会でも、「年寄りにはもう、死ねということか」と怒りの声があがっている。
国に中止、撤回を求めるが、当面、①広域連合独自の保険料減免をおこなう。②資格証の発行はしない。③県に人件費などの負担を求めること、が必要だ。
広域議会を選ぶ市議会の責任も当然だが、市長も一段の努力をお願いしたい。
中村勝治市長 国が所得に応じた減免を講じており、広域連合として条例化されるものと考える。負担能力がありながら納付の意思がないなどの場合、やむを得ず資格証を交付せざるをえない。
電算システムの構築など、制度の導入と運営にあたる市町村の負担は重い。人件費もふくむ負担を県に申し入れている。
定岡敏行市議 国の制度に追加して減免すべきだ。負担能力があるのに払わないところだと言いながら、結局は負担の耐えられない人にまで資格証の発行が一般化されてゆく。15,000円以下の年金しかない80歳、90歳のおじいちゃんおばあちゃんに、保険証をださん。そんなことを言うのか。
中村勝治市長 広域議会で決めることだが、市長会でもそういう意見が強いということは申し上げたい。
定岡敏行市議 32県が人件費助成を決めた。鳥取県はまだ決めていない。


年金未納者への国保制裁を実施しないと表明を

定岡敏行市議 年金の未納者に対して、国民健康保険税を満額納めていても1ケ月など短期保険証を出させる。国が主管する年金制度の徴収対策として、市町村事務である国民健康保険で加入者への制裁をさせる・・国民年金未納者への制裁措置について、私は6月議会で「こんな筋違いはない。年金不信を増大させ、国保税の収納率にいよいよ悪い影響を与えるばかりだ」と指摘し、市長も「おっしゃるとおりだ」との認識をしめされた。
これが強行され、来年4月から実施されるが、これは自治体にとって「することができる」という規程だ。北九州市や札幌市などが実施しないという方針を決めた。境港市も先駆けて実施しないとの態度表明をしていただきたい。

実施は困難だ---市長言明

中村勝治市長 制度の違う国民年金と国保を関連させて、短期保険証の交付で年金の未納者対策をすることは、市民の理解は得られず、窓口の混乱や国保収納率の低下をきたす。実施は難しいと考える。


島根原発は大丈夫か

ずさんな防災対策

定岡敏行市議 7月16日の中越沖地震によって柏崎刈羽原子力発電所でおきた重大な事故、あまりにもずさんな防災対策などは、鳥取県西部圏域の住民に「島根原発は大丈夫か」との不安を広げている。
1)ひとつは防災対策。柏崎刈羽原発では、変圧器の油火災に対応できる設備もなかった、配管が損傷し消火栓が役立たなかった。自衛消防隊の組織もできず、消防車が来るまで手がつかなかった。原発にまともな消火能力も、地震時の火災マニュアルもなかった。島根原発はどうか?当然、対応していると思うが、島根原発がとった新たな対応措置を明らかにして欲しい。
2)境港市は、島根原発からわずか18kmだ。昨年、市長は中国電力に原子力安全協定の締結を申し入れたが、中国電力は、国の原子力防災指針によるEPZ=緊急時計画区域が8km~10kmに設定されていることを理由に、拒否した。
国の防災指針の改訂を求めるとともに、中国電力に対し協定の締結を重ねて求めるべきだ。

島根原発運転中止の申し入れを

3)私は原発絶対反対という態度ではない。核エネルギーの平和的利用は人類に多大な幸せをもたらす可能性をもっている。しかしそれはまだ、解決すべき課題が山積する未完の技術で、人類を滅亡に追いやる危険をあわせもっている。
東京電力は「どのような地震が起きても、厳重な耐震設計が行われている」と、安全性をうたってきたが、原子炉建屋で設計基準の最大3.6倍もの揺れを観測し、大気中と海水中へ放射性物質が放出された。この地震での不具合、損傷は2,556件にものぼった。
柏崎刈羽原発の運転中止は当然のことだが、島根原発も同じ旧耐震基準で建設されている。中国電力は、耐震安全性の見直しをするといっているが、原発の運転は続けている。
しかもその原発の周辺に、約18kmのあらたな活断層が昨年5月、広島工大の中田教授によって発見された。つまり、建設時に考慮されていない活断層をかかえたまま、だめだったことがあきらかとなった耐震基準の原発が運転を続けている。これで良いのか。
地震はいつくるかわからない。30年後かもしれないし、明日かもしれない。ことは地域全住民の命、中国地方全域の将来に数十年単位の暗雲をもたらしかねない。安全性を軽視した企業利益優先の一方的な推進は、絶対にあってはならない。
柏崎刈羽原発の現実があり、島根原発にも見直しを要する合理的な懸念がある以上、まずは運転を中止する。そのうえで科学者の最新の知見を大事にした落ち着いた耐震性や安全性の検証をおこない、その結果によって、施設の補強、運転の再開という道か、あるいは廃炉の決断かを判断する、これが当然の態度ではないか。
中国電力に対し、検証結果がでるまで1,2号機の運転を中止するよう申し入れていただいたい。
中村勝治市長 中電は国の指示により、自衛消防隊員を常時10名以上とする、科学消防車などを年内に配備するなど、自衛消防体制の強化策、放射線管理員当番員を2名常駐とする、発電所と災害対策本部との通信手段を補強した場所に限定するなど、迅速かつ厳格な事故報告体制の構築についての改善計画も提出している。暫定対策についても具体的に盛り込まれていると聞いている。
安全協定については、このたびの事故を踏まえ、市民の不安を軽減し、防災体制を確立するために、改めて締結を申し入れたい。
中国電力では、国の「新潟凛中越沖地震を踏まえた対応について」に基づき、島根原発の耐震安全性評価実施計画書を見直している。トレンチ調査や海上音波探査も実施し、遠海にわたる活断層の分布状況等を、正確に調査することになっている。また、拍崎刈羽原発で観測された地震記録を島根原発に当てはめて、安全上重要な機能を有する主要な設備について、安全機能への影響を概略検討し、今月末に報告する。万が一、不足している事態があれば、早急に対応を取ることになっているので、当面はその結果を見守りたい。

1年ももたない指針とは・・信頼できない検証

定岡敏行市議 そもそもの原発の安全性、信頼性について考えていただきたい。
確かに運転中の原子炉は自動停止した。重大な放射能漏れがなくてよかった。ところがこの事態を、「防護体制が機能したから大事故にならなくて済んだ」、「炉心からの放射能漏れはなく、原発の耐震性が実証された」という主張がある。
変圧器が炎上する。使用済み核燃料プールがあふれ出す。各所の配管が損傷する。原子炉上部のクレーンが損傷した。さらに原子炉内部に、永久的なひずみやキズが生じた可能性もあるが、原子炉上部のクレーンの損傷で、それも確認もできないでいる。それを、「安全性が実証された」と主張するとは、とんでもない神経だ。
こんないいかげんな耐震設計をしながら、明らかとなったあと、変圧器が炎上しても、使用済み核燃料プールが溢れ出しても、大量の放射能漏れはなかった、要するにチェルノブイリにはならなかったから、原発は安全と言い切ってしまう・・原発関係者、電力業界、監督官庁、一部の学者たちの原発ムラにしか通用しない論理ではないか。
島根原発にまぢかに住む私たちが、こういうものの考え方を容認できるのか。
中村勝治市長 原発の安全性は市民の安全と安心にかかわる。重大な関心をもってみていきたいが、指摘されたことも含め対応されていると思うし、止めるべきだという知見ももっていないので、検討をまって対応したい。
定岡敏行市議 その検証をどういう人たちがやるか。中電、その子会社、関連会社だ。そして原子力安全・保安院のチェック。
こんどの中越沖地震を起こした活断層だって、安全審査で想定外だった。島根原発では1年も前から新たな活断層の問題が浮上していた。それを当事者の中電や国は、こんどの地震がおきるまで、調査する、大丈夫だといって何もしてこなかったではないか。
去年9月、国は20何年ぶりに耐震指針を改定したばかり。そこへこんどの事故で、また見直しだとやっている。1年前につくった指針がもうもたない!これで安心だっていっている、国の機関や専門家たちが決めたことが、1年も持たないとは、なにごとか。そういうところがまた検証して決めるという。まともにつきあっておられるのか。
中村勝治市長 そういうことも文面のなかに含めて、協定の締結を求めていきたい。

安全協定の申し入れ・・強い気持ちであたる

定岡敏行市議 防災体制について。私も島根県庁や島根原発にいって調べてきた。いくつか心配なことを確認したい。10名の常駐の消防隊員のことではなく、40人か50人かの自衛消防隊のことだが、その多くは原子炉運転要員とは兼務のはず。それでいざというときに、震災と火災、原子炉の施設管理と、同時に対応できるかどうか。
化学消火剤、化学消防車などの設備もするということだが、広い発電所内で地震時、火災は1ケ所とは限らない。複数カ所で発生したとき、対処充分かどうか。
行政の消防署との連携も最後の頼みだが、島根原発への道の一つはトンネルだ。道路やトンネルが崩落したら、消防車は入れるか。その確認はどうか。
原発事故は他の災害と比して失敗が許されない。フェイルセーフシステム、あるいは多重防護=このように一つがダメだったとしても次の手立てが動く、こういったことがクリアされていなければOKとは言えないが、そこまでの確認はとれているのかどうか。
改めて協定の申し入れはするということだが、たとえば美保関と外江、どちらが近いか。また、IAEA=国際原子力機関は、最近、UPZという新しい概念を提唱している。緊急防護措置計画範囲として30km圏域を広げようというもの。こういう国際的な流れだ。
中村勝治市長 ご指摘のことは整理し、委員会でご報告したい。ご意見をふまえて強い気持ちで申し入れたい。