2007年12月議会
2007. 12. 30
12月5日から18日まで、12月市議会が開かれました。私の発言の大要を掲載します。
議会報告のPDF版もごらんください。印刷物は1月7日ごろに日本海新聞などへ織り込みます。
道路特定財源堅持に反対
反対討論/12月5日
定岡敏行市議 「道路整備の促進および道路特定財源諸税の暫定税率延長に関する意見書案」は、「道路整備が遅れた地域への配慮」、「高齢化する道路資産の安全性、耐久性の確保」など切なる部分もありますが、総じて道路特定財源を確保せよ、その税源である暫定税率を維持せよというもので、私は賛成できません。
揮発油税や自動車重量税などの使い道を道路建設だけに特定する・・・これは1953年、国道・県道の舗装率が5%という時代に、その整備促進のためにできた制度ですが、いまその舗装率は96%。廃止するのが当然です。
ところが、増え続ける特定財源にゼネコンや道路族といわれる政治家が群がり、必要があろうがなかろうがともかく道路を建設し続ける・・いま国と地方合わせて約6兆円、ムダ遣いの温床となっているのが道路特定財源です。
たとえば、北海道の十勝スカイロードは一日の通行車両が1,000台にも達せず、地元では「十勝スカスカロード」といわれたり、約1兆5,000億円の巨費が投じられた東京湾アクアラインは、当初見込みの3割ほどの通行量で毎日1億円の赤字を出し続けています。本州と四国を結ぶ3本の橋は100円の収入を得るのに211円の経費がかかり、1年で800億円も道路特定財源から支出する・・・こんな事例は枚挙にいとまがない。
一般財源化して、真に必要な道路は、それで造ればよいではありませんか。余った税金は、社会保障、福祉、子育て世代に切実な公営住宅建設など地域に密着した公共事業に使え、いま切実な地域再生の原資にできるではありませんか。
ムダな道路よりガソリン安くが、国民の願い
また、昨年の倍にもなろうかというガソリン価格の高騰が国民や企業経営を直撃しています。大方の国民や事業者の願いはいま、『ムダな道路よりガソリンを安く』です。来春に期限切れを迎える道路特定財源の「暫定税率」を予定通り引き下げればできることです。
片方で国家財政が破綻するといわんばかりに、世界に類例がないほどに国民、高齢者負担を押し付けながら、このさきまだ国民や事業者の願いには逆らい、そして税金垂れ流しのムダ使いをやれというのでしょうか。こうしたことを正さずに地方税財源の確保ができるでしょうか。
この意見書に賛成することは、長いムダ使いの歴史を超えてようやく国政上の争点にまでなった「道路特定財源の見直し」をつぶしにかかることに他なりません。
中期財政計画について
一般質問/12月11日
定岡敏行市議 『境港市中期財政計画』は、この間の財政基盤確立の取り組みうえにたって、今後5年間の財政運営の基本を定めるもので、校舎改築など増大する大型の財政需要への機動的な対応も予定しながら、身の丈にあった堅実な財政運営をめざすもので評価したい。
だが、自民党、民主党、どちらが政権を握ろうとも、手法に多少の違いはあっても同じ市場原理主義、競争原理にたつ政治で暮らしや地域を襲う困難、疲弊が進みそうななか、行政要望がいよいよ差し迫ったものとなりかねない。
計画的であることは大事だが、切実な要求や必要な事業抑制の御旗にしてはならないし、地方財政削減の免罪符にしてはならない。
これからも市民とともに道理のない国のやり方には反対し、地方財政基盤確立のためにがんばっていただきたい。
中村勝治市長 多くの方の受益になること、行政でなければできないことで将来に必要なことは財政状況にかかわらず対応したい。市民要求を抑制するというより、守ってゆくものになると考えている。
地方の自己努力が、地方財政削減の免罪符にされてはならないと思っている。
定岡敏行市議 5兆円にもなる軍事費や大企業への特権的な減免税、6兆円の道路特定財源などにメスを入れれば、莫大な財源はある。
ブッシュの最後の盟友といわれたハワード政権も敗北し、オーストラリアもイラクから撤退の動き。いまやアメリカ言いなりは世界の少数派。そのイラク戦争に付き従い、ただ軍事費を拡大し続けることに道理はない。
北朝鮮への対応でも、なにかというとすぐ有事対策だ、ミサイル防衛だと軍事的対応ばかりだが、いまアメリカも含めた6ケ国協議の枠内で外交的解決へ進んでいる。その軍事費に群がる軍需産業と防衛族議員の癒着があきらかとなった。
消費税導入以来、国民から集めた消費税額の総額は188兆円。導入のとき言われた高齢化社会、福祉充実は、どうなったか。その金はどこへいったのか。その同じ期間の大企業への減税、法人税減税が160兆円だ。
市長が地方の立場から国に物言うことは承知しているが、結局はどこに財源を求めるかだ。市長には、軍事費や大企業への特権的な減税へ踏み込んだ発言を期待したい。
中村勝治市長 住民の生活実感からでる意見はもっと言っていかねばならない。定岡議員も大いに発言して欲しい。
人事評価で成果主義導入をやめよ
一般質問/12月11日
定岡敏行市議 市は国の方針にそって人事評価システム導入の準備をすすめている。
人事評価、成果主義は、90年代から最先端の雇用形態のように宣伝され競い合って導入されたが、それがもたらしたのは、志気向上どころか、成績をめぐる激しい競争、賃金がかかったしのぎあいのなか、過酷なほどの長労働時間だった。うつなど心身障害の激増と健康破壊が広がり、日立病という言葉が産まれ、富士通川崎工場の屋上は、自殺防止のためフェンスまで張られた。成果主義の弊害をみとめ見直しを始めるところもでている。
市役所には様々な職種があり、福祉や保育所など人の心をも相手とする現場もある。また不得手ながら配属された現場でがんばる職員もいる。
そういうなかで、その成績の、本人もまわりも納得できる客観的な評価基準を立てることが可能と思うか。
やり方を工夫するにしても、結局は、職員一人ひとりを切り離してその実績を上司が評価し、その評価によって昇進や給与につながる・・・これが職場の日常となっていけば、市民を見るべき職員の目は上司をうかがう目になり、職場は分断され、力をあわせて住民のために働こうという公務員の基本的な気持ちと、チームワークを壊すことにならないか。
評価を気にして目前の短期的成果ばかり優先し、長い目でとりくみが求められるような難しいこと、高い目標を敬遠するようにならないか。これでは公共サービスの低下にしかならない。
中村勝治市長 客観性、納得性など難しい面があることは認めるが、少なくなった職員でより高いサービスが求められているなか、職員の能力を引き出すことは必要なことで、より公正、納得性の高いものとし、早期に導入したい。
定岡敏行市議 人を評価すること自体、困難なことだ。クリーンセンターの修繕工事入札に絡んで、先日、西部広域の職員を逮捕された。その人物を、管理者である米子の野坂市長は「優秀な人物、仕事のできる人間」と重用してきた。彼は天皇とまで呼ばれていた。あいつはやる人物だ・・人ひとりの働きようを集団から切り離したところで評価するから、こういうことになる。
仕事の成果は、そこに働くみんなの、さまざまな関わりようのなかで達成されているものなのに、そこから個人を引き離して計ろうとする・・・実績評価とは、そういう物の見方、考え方としても根源的に誤ったものだ。
中村勝治市長 彼について私はそういう評価していなかったし、意見も言ってきた。仕事の能力、評価と不祥事は別だ。
定岡敏行市議 産業経済省「人材マネジメントに関する研究会」が、昨年8月、発表した報告書をご承知か。
そこでは90年代初頭からの成果主義について分析し、人件費の抑制では「効果を上げた」ものの、社員のモラルアップ、士気向上や業績向上に関しては「思うような効果は上がっていない」と厳しい評価を下し、一方「予想していなかった問題点」として、(1)賃金などの処遇に対する納得感の低下 (2)個人競争激化による協働意識の低下 (3)人材育成機能の低下 (4)現場の疲弊と目標達成までのプロセス管理の弱体化 の四点をあげている。
研究会はこうも言っている。
「チーム内のメンバーでさえもライバルと見なして仕事をしなければならず、個人間の競争意識は高まるものの意欲が高まらない。管理職同士も競争に追われ、優秀な部下の疲弊、他の多くの部下に対する育成面での軽視につながっている。
企業が売上やコストなど目に見えやすい目標や短期的成果の目標に偏り、 目標管理が実際には結果管理になり、部下が必要とする支援は十分に行われず、支援のないなかで結果ばかり要求される“疲弊”が職場に広がっている。
成果に応じた処遇といっても評価が公平でないこと。チームでする仕事なのに評価は個人ごとであること。全員が競争相手なので職場がバラバラになること・・・」
そしてこれは成果主義の「構造的な欠陥」だと断じている。
営利が目的という判りやすい民間企業でこうだ。民間では「構造的に無理だ」といわれたことを、民間企業以上に多様で複雑な業務を組織的に分担しあって仕事している役所で、いろいろ工夫すれば可能だ、いまよりよりよい職場づくりが可能だとお考えか。
中村勝治市長 問題は認識しているが、“お役所仕事”への市民からの大きな批判もある。そこを解決するには、指摘された点も考えながら、この試みを深めたい。
定岡敏行市議 人事評価システムの実務量についてだが、役職毎の、職種ごとの、細かい評価が求められ、こうした評価を、たとえば毎年、春に目標をたて中間で自己評価し申告し、上司が評価しフィードバックし確定し、統合し管理し、そしてまた翌年・・と、約300人におこなってゆく。たいへんな実務量になる。
住民ニーズの多様化や地方分権で、仕事は増え、職員は減らされるなか、またこういう仕事を持ち込むのか。
職員一人当たりわずか10日の年次休暇しかとれていない。病休職員も増えている。フラストレーションが蔓延している。そこに成績評価で追い立てることがより良いことなのか。
市職員も労働者だ。余暇と休日を楽しみ、いきいき仕事に向かってこそ、住民奉仕へ前向きの仕事ができる。労働基準法で定められた年次休暇さえ、まともに取れない、こんな事態を解決し、職員が気持ちよく働ける環境をつくってゆくことが先ではないか。
懸念は認められた。職員だけじゃない市民の不幸だ。慎重な検討を期待したい。
がん術後の弾力スリーブに療養費を
一般質問/12月11日
定岡敏行市議 乳がんがいまも増えつづけ患者は全国で35,000人。多くの女性が乳房を切除という苦しみを味わい、毎年1万人の方が乳がんで亡くなっている。
最近、リンパ浮腫に悩む方の要望をうかがう機会があった。リンパ浮腫とは、乳がん、子宮ガン、前立腺がん手術の際に、リンパ節の一部を除去することによってリンパ液の流れが悪くなるため、腕や脚がむくみ、放置し重症化すると握力低下や歩行困難になったりする、細菌性感染などの合併症を起こしやすくなる難治性の疾患。
治療には、弾性スリーブとか弾性ストッキングなど治療用装着具を一生使うことが必要なのだが、国が保険適用の対象にしていないため、重い負担となって患者を苦しめている。
保険事務所や市町村によっては、支給を始めるところがでてきているが、申請があれば、本市も療養費支給の対象とするよう求めたい。
中村勝治市長 現時点では効果が認められず、支給の対象となっていないので、いまのところ考えていない。
定岡敏行市議 11月27日、枡添大臣が保険適用の考えをだした。今年6月策定の『がん対策推進基本計画』は、がんによる死亡者を減らすこととともに、がん患者や家族の苦痛を和らげること、療養生活の質を引き上げていくことを全体目標とした。
乳がん患者の補装具として、切除した乳房のためのブラジャー、抗がん剤治療に伴う脱毛によるカツラの購入費の補助、医療費助成など切実だ。
11月24日、夢みなとタワーのピンクリボンスペシャルin境港で、副市長もいろいろな要望をお聞きになられた。どうだったか。
安倍和海副市長 個人的には患者の苦しみは痛いほど感じているが、市において応えられる状況にはなく、国にも申し上げていきたい。
一時金加算や福祉灯油で暖かい冬を
一般質問/12月11日
定岡敏行市議 寒い冬がはじまっている。灯油の値上がりが激しく、いま一缶1600円台。配達してもらえば1800円。食料品や調味料はじめ、あらゆる生活用品の値上げも相次いでいる。誰にとってもただならない事態ですが、生活保護世帯や低所得世帯にとって、今年の冬はなおさらの厳しさだ。
生活保護世帯への年末一時金の加算あるいは「福祉灯油」支給の検討をお願いしたい。
中村勝治市長 影響は大きく私も危惧している。国が緊急対策として福祉灯油も触れているが、国が実施すべきものと考えている。
定岡敏行市議 今日、国の対策が発表された。前進だと思うが、たとえば、灯油一缶を1月、2月、生保世帯に配給したとしても100万円程度だ。そんなやりくりもできない市政か。時機に即したこういう施策をうってゆくことが大事だ。
後期高齢者医療制度は撤回せよ
反対討論/12月18日
定岡敏行市議 議案第88号、特別医療費助成条例の一部改正の条例は、乳幼児医療費の通院助成を5歳未満から小学校就学前まで拡大という子育て世代積年の願いに応える部分もあり、これには賛成ですが、これまでおこなわれてきた低所得者に対する入院時の食事療養費の補助打ち切りや重度心身障害者などの医療費助成に、所得制限を設けて新たな負担をもちこむもので賛成できません。
市民のくらしが、また障害者自立支援法による負担増で障害者のみなさんの苦しみがこれほど問題となっているときに、新たな負担を強いる・・・なんということでしょうか。否決を求めます。
(中略)
第20号、第22号、第23号、第27号は、いずれも後期高齢者医療制度に関するものですが、医療リスクの高い75歳以上のお年寄りだけ集めれば医療費がかさむのは当然で、それが保険料に跳ね返る。安くしたいならそこそこの治療でやめとけとなる。保険料を払えなければ保険証取り上げ・・こんな冷たい医療制度はないわけで、この撤回・中止を求める陳情です。
中身が知られるに従って世論は厳しく、参議院選挙で自民党・公明党大敗の一つの要因ともなったほどです。政権与党は総選挙を意識して一部“凍結”を言っていますが、選挙が終われば“自然解凍”です。
国民の暮らしと日本の行く末に責任をもつ政党ならば、凍結を必要とするほど制度の欠陥を認めるなら、こんなごまかしではなく、いったん制度を撤回し、問題の根本的解決に踏み出すべきです。
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高齢者医療や福祉の問題で政府は、結局は財源問題を持ち出し、「高齢社会の到来で平成25年度にはGDP比19%にもなる社会保障給付費はどうするか」と脅かしますが、このグラフをみてください。平成25年に19%になったって、いまのイギリスやフランス、ドイツより低い水準です。
これらの国の大方は、高齢者いじめどころか、国民医療費の無料化まで立派にやっているじゃないですか。これだけ働き者の日本人の国でそれもできない政権は、統治能力なしと言うほかありません。
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ヨーロッパとは税金の仕組みがちがうという意見がありますが、このグラフを見てください。消費税が導入されて以来、国民から集められた消費税は188兆円にもなっています。高齢化社会のためだ、福祉のためだと言って始まったのですが、じゃなぜ、年々、歳々、医療や福祉は悪くなるばかりなのですか。
同じ期間に大企業が納める法人税は160兆円も減税になっています。国民から集められた消費税が、いまも大儲けを続ける大企業へつぎ込まれていっただけではありませんか。こんな逆立ちした税金の使い方を改めれば、ただちにでもやめることができる高齢者いじめです。
後期高齢者医療制度を撤回・中止して欲しいとの陳情を、不採択にとの報告に反対し、採択すべきと主張します。





