2008年 9月議会

9月3日から17日まで、9月市議会が開かれました。
開会日には、根平雄一郎教育長の再任などの人事案件があり、私は賛成。一般質問では、不充分ながら漁業用でできた燃油直接支援を、農業や運送業など、他の業界にも広げようと提案。また国から入居者が退去を求められている雇用促進住宅のこと、学校の耐震化工事やこれからの下水道事業のあり方をめぐって市長と議論しました。
最終日の17日には、上程された多数の議案のうち、「公的年金から住民税を天引きする」ための予算をふくむ予算案に反対。「学校給食のセンター化に反対する」陳情の不採択に反対して討論しました。
『9月議会報告』PDF版もごらんください。


燃油対策、全業界に拡大を

定岡敏行市議 政府は7月に「水産業燃油高騰緊急対策」を決め、境港市は8月26日、これを補完するかたちで、漁業者負担分の1/3を支援するという措置を発表した。
(1) 政府の緊急対策は、直接支援を一部盛り込むなど一定の前進があるが、「省エネの実証事業にとりくむ5人以上の漁業者グループを対象とし、昨年末比10%以上の省エネ効果をだしたものに高騰分の90%を補填する」というもので、現場では「できる努力は全部してきた。昨年末を基準にされて、どれだけのことができるか」とか、「漁がよかったら補填しないとは、大してがんばるなってことか」など、現場の実態にあわない、使い勝手の悪さが指摘されている。80億円という予算の増額と実態に即した対策への要綱緩和が必要だ。
(2) 燃油高騰で苦しむのは漁業だけではない。先に鳥取県トラック協会は集会とデモをおこない、農業者は、肥料、ビニールやダンボールなどあらゆる農業用資材の高騰に重大な打撃をうけている。漁業でできた燃油への直接支援を、その他の業界にも拡大するよう国に強く求めていただきたい。市内の農業や中小企業への諸物価高騰の影響実態調査をおこない、必要な支援策を求めていただきたい。
(3)諸物価も高騰し、消費者の暮らしは厳しさを増している。市は2月に低所得者のための灯油費助成をおこなったが、そのときの価格が店頭で一缶1600円、それがいま2300円。今年も灯油費助成を実施するとともに、生活保護世帯の冬季加算の引き上げも求めたい。
中村勝治市長 本市にとって漁業経営を直撃する深刻な事態で、あらゆる機会に要望してきた。国の新しい対策が使い難いなどの声は承知しているが、これを漁業経営の抜本的改善の機会ととらえて、まずは有効に使っていただき、その上で条件緩和など要望していきたい。補正措置もとられると聞いている。
8月8日にすでに緊急要望をおこなった。農林水産、製造業などの価格安定へ即効性ある緊急対策を、さらに要望していきたい。
灯油助成は、この冬の国の措置もみながら検討したい。生保家庭への冬季加算については、見舞金は支給しているが、国の責務でやるべきことだ。


雇用促進住宅の廃止方針撤回を

定岡敏行市議 境港市内には3ヶ所6棟の雇用促進住宅があり、約160世帯が入居されているが、国と雇用・能力開発機構は、3年後にはこれを半分にし、2021年度までに全廃する方針で、すでに明け渡し通知が送られている。
私は盆を前後してみなさんのお宅を訪問し、状況と要望をうかがってきたが、高齢者世帯の年金暮らしの世帯も多く、「いまさら民間にと言われても、5万、6万払えない」。「72歳と74歳の夫婦だ。年金は二人で月13万円ほど。とても民間の家賃は払えない。あと10年ほどの人生だ。このままここに住みたいというのが贅沢か」。「いちど通知がきたきり、あと何にもない。不安ばかりがつのる」など声は切実だ。また貧困が広がり、公共住宅の必要性は増えるばかりだ。
8月26日の共産党国会議員団の要請で、舛添大臣は、「一方的な退去はさせない。困っている人には手を差しのべる」と答え、厚生労働省は、これまでの方針を一部変更したが、期限を定めた廃止の方針は変えようとしていない。
(1) 一方的におこなわれた廃止決定は白紙にもどすよう国へ要望をしていただきたい。
2003年11月以後の定期借家権契約者は、来年中に退去を迫られており、時間的な猶予はそんなにない。自民・公明政治は冷たいことができるものだと思いますが、急いでお願いしたい。
市は入居者の実情と要求をよくつかみ、その実態や要望に反して市民が追い出されるようなことのないよう努めていただきたい。
中村勝治市長 「9月1日現在148世帯の方が入居されている。突然の通知で入居者は困惑している。機構が説明にきたときに、きめ細かい対応をおこない、国の責任で解決するよう求めた」。
定岡敏行市議 いったん白紙に戻せと要求すべきだ。
中村勝治市長 ハローワークのときと同じやり方で、私も強い憤りをもっている。現に148世帯の市民がお住まいだ。そこを最重要に考えて対処してゆく。


庁舎1階と市民会館の洋式トイレ増設を

定岡敏行市議 「歳とって和式トイレは辛い。市役所の1階トイレを洋式にしてほしい」・・・こういう訴えが市民の方からあり、市庁舎と市民会館のトイレを調べてみた。
市民が使う機会の多い本庁舎1階は、男女とも全部が和式で、洋式の身障者用トイレがあるだけ。市民会館ホールも9つのうち洋式は男女それぞれ一つだけ、他に身障用が1つあるだけだ。
(1) 高齢者の社会参加や役所にくる機会も増えるなか、市役所1階と市民会館ホールについて洋式トイレの増設が必要ではないか。
(2)いまあるものが旧式で、寒いときはたいへん冷たい。暖かい便座のものにして欲しいという要望にも応えたいものだ。
中村勝治市長 市役所も古く、構造上の制約もあり、身障者用をお使いいただくようお願いしてきましたが、いまいちど市民の目線にたち、改造を検討したい。市民会館のものは加温式のものに代えたい。


耐震改修を地元業者で、二中をエコスクールに

定岡敏行市議 市は昨年、市内義務教育施設の耐震診断を終えて、これから5年間で予算規模約40億円を想定し、第2中学校の全面改築をはじめ必要な補強、リニューアルにとりくむことを決めた。たいへん明るいニュースで市民に歓迎されている。
この事業が市民各層の願いに役立ち、これからの境港の財産となるよう、二つのことを提案したい。
(1) 持続可能な財政基盤確立のため、建設投資を抑制してきた境港市にとって、久方ぶりの大型建設事業。片方で長引く建設不況のなか市内関連業界のおかれている状況は言うまでもない。いろいろ聞いてきたが、耐震建築といっても基本的には地元業者で、必要なら地元業者同士、ジョイントを組んで建設可能とのことだ。
せっかくの40億円もの投資は、市内建設業者の仕事確保のチャンスにしなければならない。
(2) 環境対策が地球的規模で問われている。せっかくの2中改築を、環境に優しい学校づくりのモデルにし、市民とそこに学ぶ生徒たちにとって、大切な環境教育の場となる「エコスクール」として建設しよう。
県内産の材木を生かした太陽の恵み、風や雨まで生かした構造設計、まわりの遊休農地を生かした農業体験や食育の重視も予定したコンセプトなど、集めればさまざまな知恵がある。建設コストは少し高くつくかもしれないが、そこで育つ子どもたちにはぐくむものの大きさを考えれば、この地域の未来のために必要な投資だ。
義務教育施設のあり方検討会など、地域、学校、専門家いったいとなった議論をお願いしたい。
中村勝治市長 私はかねてから市内業者を優先してきた。個々に改修設計をおこない市内業者を優先的に指名する方針でいる。
多くの児童・生徒が一日の大半を過ごす。快適で安全な環境の確保は必要不可欠。そのために自然環境に配慮した学校施設の整備は大切であり、環境教育の場としても大いに役立つ。先進校などを視察し検討したい。
定岡敏行市議 地元業者を優先したいという、もともとの市長の考えとして承知しているが、耐震改修だということで、地元業者には手に負えないという誤解が少なからずあったので、こういう場ではっきりさせておきたかった。よろしくお願いしたい。
エコスクールについて、教育長のお考えもお聞きしたい。
根平雄一郎教育長 地球環境やエネルギー問題などの教材として使える学校の整備はこれから必要なことだと思う。ただ、二中改修は2棟、また予算のこともある。どういう形でできるかは、考える会を中心に議論していきたい。


今後の生活排水処理に関する検討結果について

定岡敏行市議 市が2月に外江校区や渡校区の整備方針について、公共下水道でいくがよいか、合併処理浄化槽でゆくがよいか、それぞれの利点や欠点についての検証し、「公共下水道による整備が適当」という結論を出された。
昨年6月議会の私の指摘に応え、比較の根拠になる費用関数や耐用年数がより実態に即した数値を採用し、検証がより合理的なものになっていることは評価したい。
(1) 人口見通しについてだが、この検証では20年後の2025年時の人口を12%減の32、089人と下方修正し、それをもとに試算をしているが、見通しが甘くはないか。
人口減少は、域内の産業活動の縮小につながり、住民所得の減少傾向をもたらす。道路、工業用水、下水道など、生活や産業関連のインフラ需要の減少は避けられない。
施設が完成してみたら人口が減っていた。過大な施設の維持管理や更新のコストに住民と自治体があえぐ、ということになりかねない。
プロジェクトチームではどのような議論をしたか。
(2) 人口が減少してゆくとき、戸別処理なら、その家の浄化槽をだめにするだけだが、公共下水道は、極端な言い方をすれば、たとえ一人でもそこに接続している市民がいれば終末処理場をとめることはできない。どちらがフレキシブルな対応ができるか。長きにわたる維持管理コストを比較するときに、避けられない検討課題だと思うが、ここはどういう議論で、この結論にいたったか。
(3) 受益格差の問題だが、わかりやすくするために私の住む森岡町を例にひくが、森岡町に公共下水道が整備されるのは最後の最後。公共下水道による快適な生活環境という受益は、20年も30年も先のことだ。ところが私たちは、これまでも下水道に投入された税金を負担し続け、これからまだ払い続ける。そして、受益のないまま亡くなってゆく町民もすくなくない。このあまりもの受益格差は、そのままでよいのか?
中村市長を迎えた地域懇談会で、市長は「ご理解いただきたい」とおっしゃたが、それで済む問題とは思えない。
公共下水道で行くというなら、あまりものこの格差になんらかの手立てが必要ではないか。
中村勝治市長 国立人口問題研究所の最新の予測に基づいており、この見通しは適切なものと考えている。
戸別処理がフレキシブルなことは理解しているが、経済性、個人負担、設置場所などそれぞれの利点を検討し決めたものだ。処理水量の推移を検討しながら過大な設備とはならないようにしたい。
整備時期に違いが生じることは下水道の宿命。効率的な整備につとめ、また個人設置される浄化槽補助は継続していきたい。
定岡敏行市議 将来的な人口動向については、これは歴史的な趨勢であって避けがたいという論とか、いやヨーロッパ諸国の例をみても、出生率は必ずしも先進国全体で減っているわけではない。施策によって回復可能なんだという論もあったりして、まだ確たる定説があるわけではないが、長期にわたるインフラ整備を考えるときには、やはりこれを前提に考えなきゃならん。
それによると、日本の人口全体は2006年にピークを迎え、2050年には約1億人へと減少し、市長さんご回答のように、2025年にはそうだけれど、さらにその10年後、市内全域の下水道整備が終わる頃には30、000人を割り込み、使い始めたら5年単位で2、000人づつ、28、000人、26、000人と減少してゆく。
莫大な税金を投入して建設した施設が、できたときから余剰設備にむかっていきかねない。32、000人規模の施設を28、000人で支えていかなきゃならない。そういう危険性はないか。
中村勝治市長 処理場は処理量に応じて増設してゆくし、問題は管渠だが、一時的にはそういうことがあっても、いずれ更新しなきゃならないという時期になるので、そのときは現実的な水量に見合ったものにできるわけで、過大設備とはならないと思っている。
定岡敏行市議 そういう意味でやはり(戸別処理が)フレキシブルだ。結局は内部的な検討で結論を出されたが、もっと専門的な知見も活かして再検討をすべきだ。また住民の声も十分に聞いて決めるべきだ。
中村勝治市長 中村勝治市長 「庁内の職員といえども、専門的な知識を持った職員たくさんいる。そういった職員が皆よって、いろんな立場から検討し、市議会にもご説明したところだ。市民そういった専門的なものを説明しても、なかなか理解は難しい。市議会の皆さんにお示し、公共下水道で行くのがベターであるとお認めいただいたんではないか。それを内部でちょっと決めて、それでいくんだというような言い方をされると、市民が誤解する。
定岡敏行市議 言い方がちょっと悪かったですか。ちょろっと決めたなんて言うつもりは全くない。費用関数の問題とか、より合理的な検討になったと言ったではないか。しかし、市の職員が専門的な知見を持っていて、いろんな問題をすべてそういうふうに解決できるのか。やはりそれぞれの分野の専門家はあり、科学的知見なんかを有している方たちは周りに沢山いる。そういう意見をもっと汲もうではないかということだ。
議会にあったのは報告で、この検証自体を良しとするのか駄目とするのか、諮ったことはない。
確かに難しい問題はあるけれど、市民の意見を汲むという過程が大事。そういうことを通じて、行政が理解もされ受け止められていく。そういうこともなしに、宿命だと受け止めろというだけで済むのか、思っているのだが。
中村勝治市長 中村勝治市長 「宿命で片付けるわけではないし、両方の経済比較もし、そういった人口推計もして、今後も公共下水道事業で進めていこうとの方針になったところであり、これからもその折々に、疑問、指摘がございましたら、真摯に受け止めてしっかりと検討したいと思っているので、よろしくお願いしたい」。
定岡敏行市議 私は森岡に住んで20年になる。この間、いつになるかわからない下水道整備の費用を負担し続けて、結局、我慢できず今年、135万円かけて合併処理浄化槽を設置した(35万円ほど補助金)。補助金は継続するというけれど、早くから整備されたところは必要のない100万円を払い、なおこれからも負担していかんといけない。
私のことだけを言っているわけではない。皆さん、腹の中でそう思っている。我慢をというには余りにも大きい。
そこで提案だが、合併処理浄化槽への補助金を、もっと思い切って拡大をするか、遅れに見合って受益者負担金を安くしていくか、あるいは側溝や河川の整備など、遅れている地区を優先的に整備していくとか、いろんな形があると思うけれどもご検討いただきたい。


学校給食は自校方式でこそ



私は、公的年金から住民税を天引きするための費用を含む一般会計補正予算案に反対。また後期高齢者医療制殿の廃止を求める陳情や消費税増税に反対する陳情を不採択にという委員長報告に反対。「食料自給率向上、地域農畜産業の確立と稲作、酪農、畜産危機に関して切実な要求を、国に意見してほしい」という陳情を、「趣旨は採択するが、国に意見はしない」という報告に対して採択すべきと主張して討論もしました。
ここでは、「中学校給食の実施と学校給食の自校方式での存続を求める陳情」を不採択にした報告への反対討論の部分だけ抜粋して掲載します。

この9月本会議や委員会での議論を聞いていて残念に思うのは、自校方式は財政的に困難、境港は狭いところだからセンター化でも暖かい食事を届けることができる・・・と、学校給食をただ「暖かいものを供給すればよい」という概念でくくってしまっていることです。
学校給食の大事さは、そんな程度の問題ではありません。
食材=自分たちが食べるものが、どのように作られているのか、それがどのように調理され、なにがからだをつくり、そこにどんな人々の苦労があり、努力があるのか、まぢかに見知ってゆく。たんなる机上の知識としてではなく、毎日の学校生活のなかで身につけてゆくこと、そこが大事なんです。
出来上がる過程で匂いたつおいしそうな香り、ワクワク感。あの畑であの農家のおじさんが、あの給食室であの調理員さんたちが、わたしたちのために、一生懸命つくってくれてる。そこが実体験としてわかるから、”残したら悪いな”と自然と思える、感謝する気持ちがわく。給食は生きた教材なんです。机に運ばれるまでの過程が見えること、これが自校方式のかけがいのない大事さで、その場をうばってゆくのがセンター化の持つ意味です。
いま「食育」の重要性は言うにおよびません。そう言いあいながら、「食育」の場を奪ってゆくのですか。不採択に反対し、採択すべきと主張します。