雇用促進住宅購入事業
2009. 07. 21
一昨年12月の閣議決定による雇用促進住宅廃止方針がその後、全国の入居者の運動で3年間の退去猶予とはなったものの、全廃方針は変わっておらず入居者の不安は続いています。
この事態に、市内でも、国にむかって全廃方針の撤回を求める運動とともに、市による買い取り、運営を期待する声もでています。
この問題で7月15日、市による買い取りと市営住宅として管理運営する方針を固めた島根県浜田市に、政務調査をおこないました。なおこの調査が現場の実情をふまえたより実りあるものになるように、雇用促進渡住宅の団地自治会の寺田繁夫会長に同行していただきました。
浜田市からは中村俊二産業経済部産業政策課長および前木俊昭係長が説明にあたってくださいました。また国府住宅にも案内いただき、建物内外の状況も確認いたしました。

浜田市国府の雇用促進旧宅
(1)
浜田市の雇用促進住宅の状況と購入方針決定の経過は次のようなものです。
▼ 小福井(S46年築、S48年築・2棟)金城(S55年築・2棟)、内田(S55年築・2棟)、国府(H2年築・2棟)の4ケ所、合計8棟320戸があって、h20年7月現在274世帯706人が入居している。
▼ 以前より機構から譲渡の打診はあったが、購入は難しいとの判断をしてきた。しかし昨年春、小福井、金城についてH20年4月より一新規入居停止し、12月以降の借家契約更新せず、内田、国府は、H24年度以降廃止との方針が機構から示され、入居者の不安も広がるという事態をうけて再度検討し、「これは浜田市にとっても大きな損失になる。入居者の不安も解消したい」と、昨年8月に全棟購入の方針を決定した。
▼ 機構が示してきた譲渡条件は、①入居者はそのまま引き継ぐこと。②公的な住宅として10年間は維持すること。③その場合は、固定資産評価額50%を免除し半額で譲渡するというものだった。
▼ この後、島根県内自治体もおおむね同様の考えを示している。
(2)
購入事業の基本的考えは次のようなものです。
▼ 「雇用促進住宅」の廃止に伴い、独立行政法人雇用能力開発機構から浜田市は4箇所の住宅とその敷地を購入する。購入後は市の一般住宅として管理運営を行なう。
▼ ただし現入居者の救済を目的とした緊急避難措置であり、10年経過後の「廃止、解体」を前提とし、新たな建て替えは行わない。
(3)
雇用促進住宅の現況や市営住宅管理費実績などをもとに、購入後10年間の試算をおこなった結果、下表のとおり購入費を差し引いても約3億4千万円が残る見通しで、解体費用の捻出も可能なうえ、約1億4千万円の価値ある土地が市の財産として残ることになるとしています。
収 入 家賃・共益費・駐車場 1,222,855千円
支 出 維持管理費・修繕費 498,771千円
収入-支出 724,084千円
固定資革税及び土地貸付料 △140,505千円
小 計 583,579千円
住宅及び土地購入費(予定) △244,536千円
合 計 339,043千円
(4)
質疑であきらかになったこと
▼ 耐震改修はどうなっているか?
小福井の1棟は改修済みで、後は全国同一の構造で問題ないとのことだが、個別の診断を求めている。
▼ 維持管理費、修繕費に不安は?
8棟で年平均3000万円の修繕費を見込んでいる。2千数百万円という市営住宅700戸の実績や機構の実績に上乗せして計上して試算しており、ほぼいけるものと思っている。
地デジ対応や義務化される火災報知機の設置はどこがやるのかなど、調整中。
▼ 取得費用は土地代込みか?
土地代込み。
▼ 新規入居者も受け入れるか。収入にかかわる入居者見通しは?
運営中は当然、新規入居者も受け入れる。内田、国府はほぼ満杯状態が続いている。若い世代も多い。金城、小福井は、古くて、入居率も7、8割だが、この経済情勢のなか低家賃で人気はある。現在の入居者程度はいけるだろうと考えている。
▼ 10年後の廃止をめぐって市と入居者の間で争いになる不安はないか?
庁内の検討会議でも市議会でも、“先送りするだけではないか”という議論はあった。雇用促進住宅の管理はほかよりも良い。使えるのに住んでいただけるのに、やめることはないではないか。大事に使えばよい。
10年後、いまと同じような議論がおきるかもしれないが、それはある程度仕方がない。だからといっていま、この事態をほっとくわけにはならない。
10年後、もしかしたらまだ使えるかもしれない。そのときに判断すればよい。ただし、建て替えの議論だけはしない。それをいうと、このシミュレーションがなりたたない。
▼ 機構の方針がゆれているし、政権交代の影響もありうるが?
方針を決めたが細部について調整中だし、まだ契約したわけではない。そこを見極めながら確定したい。





