2014年3月議会

市議選後初の3月市議会が開かれました。 定岡敏行市議は、島根原発災害時の避難計画、空き家条例と住宅リフォームについて質問。 初議会となった安田とも子市議は、国保税の引き下げ、3人目からの保育料の無償化、自然再生エネルギーの普及の提案をおこないました。
共産党議員団は、子育て支援や安心・安全なまちづくりへの積極的な事業を評価したうえで、下水道など公共料金への消費税増税転嫁を批判して、新年度一般会計予算などに反対しました。
うち、定岡議員の質疑の大要は次の通りです。


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1.境港市空家の適正管理に関する条例について

解体費用の助成や公共空間への活用を

定岡敏行市議 条例案によれば、危険な家屋の所有者に、改善を求めて勧告、命令をおこない、従わない場合は行政代執行をおこない、その費用を所有者から徴収するという方針だが、所有者の責任だとしても、解体費用の捻出などできない事情もある。
 解体費用の一部助成や将来使うあてもない家屋や土地は無償提供を受けて行政で解体し、すれ違いポケットや延焼防止帯など安心・安全な公共空間づくりに活かすといった手法もあっていいではないか。
中村勝治市長 個人の財産であり、原則、所有者に管理責任がある。管理不十分な空き家に公費投入は慎重にならざるをえない。
 空き家の解体や土地の管理に費用がかかる。制度として市が抱えることは難しく、国や他市町村の動きもみながら研究したい。
定岡敏行市議 『アスベスト撤去費用』として、平成23年度 5,433,000円、平成24年度 3,611,000円が、銀行などの私企業に支出されている。人が出入りする場だから、税金を私企業に良いというなら、道路、近隣家屋に面し、いつどんな危険を公共空間に及ぼしかねない家屋に税金いれてもおかしくない。引き続く検討を。


2.住宅リフォーム助成制度について

2億円の助成で50億円の需要拡大

定岡敏行市議 住宅の老朽化や高齢者世帯の増加、家族構成の変化などで住宅改修の要望は切実だ。改修資金の一部助成で、この市民要望に応えながら地域の建設業者への仕事も増やせば、地域も元気になる。その経済効果は市長も認めたが、「他の制度があり、これを活用を」との態度。
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市民が使える住宅改修資金の利用実績はどうか。
中村勝治市長 (別表のような実績を報告し) 全国で助成制度を創設している自治体が増えていることは承知しているが、いまのところ考えてはいない。
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定岡敏行市議 それらは特定の対象者への制度で、全世帯が使えるものではない。
 出雲市は平成16年度から実施し、この10年間で、2,200件、2億1千万円の助成で、約50億円の工事にもなった。投入した税金の23.7倍もの建築需要が喚起されている。


3.住民避難計画と島根原発再稼働について

これでは要介護者を見捨てたも同然だ

定岡敏行市議 原発再稼働と住民避難計画の関係について、12月議会の私の質問に、市長は「調査し検討する」との答弁だった。調査・検討の結果は。
病院の入院患者や介護施設入所者など、災害時要援護者の避難計画はどこまで具体化できたか。
中国電力が2号機の再稼働へ「適合審査申請」をおこない、原子力規制委員会は審査を急ぎ、「できるところから動かす」という方針で、再稼働への態度が問われるが、この避難計画との関係で、どう考えるか。
中村勝治市長 政府が示した先の『エネルギー基本計画』でも広域避難計画は再稼働の要件として示されていない。その位置づけに関わらず、本市としては、計画の実効性を高めていきたい。
 要援護者の避難計画は、県がガイドラインを示し、病院や施設において計画を策定しているところだ。
 再稼働については、審査結果を待って中国電力からの詳細な説明を受けたい。 
定岡敏行市議 県が指定した「広域福祉避難所」のリストがあって、合計3,579人の収容が可能となっている。え?だったら、たとえば特養、待機者減らせるじゃないの。
県はどう説明しているのか。
角俊一郎防災監 廊下など、そういうスペースがあるとのこと。  
定岡敏行市議 「ベッドや部屋に余裕があるわけじゃない。そんなスペースがある」ってことで、「いざというときには、そこにベッドなど持ち込んで対応する」のだと。「事前に用意しておくの?」と聞いたら、「いや、そうなったときに」だと。
 フクシマで、何人もの病人、要介護者が避難先で亡くなっている。そんな悲劇知っていて、こんな計画で良しとするのか。
定岡敏行市議 福祉施設入所者や病院の入院患者たちを、どう避難させるか、結局は、それぞれの施設がたてることになっている。
境港市内で必要な病院のうち、避難計画が策定ができたのはいくつか。
角俊一郎防災監 病院は二つともまだ策定中。
定岡敏行市議 そう、済生会病院もまだできない。「県が指定するという行先がまだ決まらない。計画の立てようがない」と言っている。
 避難計画全体の中で決定的要素だといえる搬送車両にしても、済生会病院は、「1台だけだ。救急車に頼るしかない」という。数ある福祉施設、医療機関、同じような状況じゃないですか? 応えられる救急車は何台あるんですか? 1台が何人運んで、倉吉まで往復に何時間? 一日、いったい何人が搬送できる?という話になる。
定岡敏行市議 原発事故の事故を知って3年。いざのときに避難計画をと準備始めて2年。計画の見直しにと1年。
 ところが、肝心な部分は少しも進んでいない。
 入院患者や要介護者などの避難計画は施設まかせ。行先も決まらない。だから計画もたたない。立てようにも搬送する車もない。
 これが避難計画の現実だ。
中村勝治市長 もともと隘路の多い計画だ。県も市もすみやかにしっかりしたものをつくる。いろいろ協議中。まだまだ不足、不都合な部分があるが、今後に向けてよりパーフェクトなものにしていかなければならない。
定岡敏行市議 パーフェクトなものにしなければならないというのはその通りだが、13ある原発周辺地域の関係自治体135のうち「計画ができた」は58(43%)に過ぎないのが現実だ。
 これで再稼働となれば、災害時の要援護者を見捨てたも同然になりませんか。せめて、ここまでの計画ができなきゃ、「再稼働は容認できない」と言っていただきたい。


4.委員長報告への反対討論


 ▼ 一般会計予算案について。子育て支援、安心・安全な街づくり、将来への都市基盤整備と、数多くの新しい事業が予定され、うれしいことですが、いっぽうで、4月からの消費税増税分をゴミ袋代や下水道など各種使用料にそのまま上乗せし、新たな市民負担を強いるものとなっています。
 消費税は、赤ちゃんからお年寄りまで生きている限りかかる最悪の生活費課税で、低所得者に重く高額所得者に軽い不公平税制の最たるものです。
 給料や所得は下がり、多くの国民が景気回復を実感できない状況のなかで、増税すれば消費はさらに冷え込み、地域の経済も財政もいっそう悪化することは明らかです。日南町という小さな町でさえ、「町民の暮らしと地域経済を守る」として転嫁を見送りました。こうした立場をとっていただけなかったのが残念です。

 ▼ 下水道事業費特別会計予算案も、消費税増税分を使用料に転嫁するもので賛成できません。

 ▼ 国民健康保険費特別会計予算案について。高すぎる国保税はもはや負担の限度を超えています。
 私たちが「一般会計から繰り入れて引き下げを」と言うと、「国保以外の市民の理解が得られない」 「国保の財源は国保制度の枠内で」と言いますが、もともと農漁業者や無職者など、立場の弱いすべての国民に医療給付を保障しようとつくられたのが国保です。所得の再配分を当然とする社会保障制度の重要な一部であって、それを民間の医療保険と同じように、「赤字なら上げるしかない」かのように描くのは正しい議論とはいえません。
 新年度予算で保険料引き上げがあったわけではありませんが、「負担の限界に近い」とされながら、なお引き下げの措置もないままであってはなりません。ご一考をお願いしたいものです。

 ▼ 平成26年度介護保険費特別会計予算案について。平成12年度に「介護の社会化」といって始まった介護保険制度ですが、数年待ちの特養入所の現実や相次ぐサービスカット、いっぽうでのこの新年度予算案の裏でも、現役世代の保険料負担がついに月5,000円を超えるなど、まさに「保険あって介護なし」となっています。
 国はさらに、要支援1.2の人たちを介護保険制度から外し自治体まかせにする。特別養護老人ホームは「要介護3」以上に絞る。所得によって利用料を2倍に引き上げるといった改悪メニューずらりです。
 国庫負担割合を10%引き上げて、国の制度として保険料、利用料の減免制度をつくる、事業所に対する介護報酬を大幅に引き上げ、介護労働者の処遇改善をすすめることなど、急いで実行しなければ介護保険制度は崩壊しかねません。
 国にこの原点がまったくないことが問題の根源です。しわ寄せを受けて「けしからん」「じゃどうしろっていうのか」と、市民と市がいがみ合っている状況を超え、間違った政治を変えなければ解決の道はありません。
 改めてこの原点を明確にし、同予算案に反対します。

 ▼ 後期高齢者医療費特別会計予算案は、基金を取り崩して引き上げ幅を抑える努力はされていますが、1200円程度の保険料引き上げとなっています。
 もともと医療費の嵩んで当然なお年寄りだけ集めてつくった、お年寄りが増えれば自動的に保険料が上がるよという欠陥制度で、介護保険と同様、おおもとからの制度見直しが不可欠となっています。