北朝鮮制裁にかかる支援について、境港市長、境港水産振興協会、日本海かにかご漁業協会、鳥取県かにかご漁業組合は平成18年10月25日、松岡利勝農林水産大臣および白須敏朗水産庁長官に対し、以下の要望をおこないました。
10月27日におこなわれた中村勝治境港市長の記者会見での配布資料よりその概要を報告します。
要望書
平素、境港水産業の安定発展に格別のご指導、ご支援を賜り深くお礼申し上げます。
境港経済の中枢的役割を担う水産業は、資源復活の遅延と魚価の低迷に燃油の高騰が加わり、かって経験のない極めて厳しい局面に遭遇しています。
この環境下で、このたびの日本政府による北朝鮮籍船舶入港禁止の閣議決定は、今日までの北朝鮮による拉致、テポドンなど常軌を逸する行為からある程度予期し、北朝鮮輸入ズワイガニからの脱皮に全力を傾注してきたところです。しかし本年6月からベニズワイガニ資源保護のため1ケ月間の休漁期間延長(年間3ケ月)、さらには世界的な水産物需要の高まりなど、原材料確保の先行き不安・不透明感が増大し、経営保全に苦悩しているのが現状です。
現在、この難局を打開しカニ産業の振興を図ることを目的に、官民あげて「境港ベニズワイガニ産業三者(生産・荷受・加工)協議会」を設置し、英知の結集に全力を挙げているところです。
つきましては、自助努力の限界を超えたと申して過言でない状況に鑑み、下記事項の実現に強力なご支援を頂きますようお願い申し上げます。
記
1. 抜本的な金融対策(無担保・無保証・無利息)の促進
2. 北朝鮮海域での操業漁船支援対策の促進
3. 資源回復計画にもとづくベニズワイカニの休業期間の見直し対策の促進
4. 日本海沖合域における国が主体となった漁場整備事業の創設対策の促進
5. 代船建造対策の促進
平成18年10月25日
連名
要望趣旨

写真提供・境港市
1. 抜本的な金融対策(無担保・無保証・無利息)の促進
北朝鮮海域での漁獲量は年間3300トンで、境港に水揚げされるベニズワイガニの約3割を占めていた。今後の漁獲量の減少、加工原材料不足は顕著であり、生産者、加工業者の経営悪化が予想される。
2. 北朝鮮海域での操業船支援対策の促進
この海域で操業してきた3隻は、退去せざるをえなくなったが、国内水域は他の日本漁船が操業しており、暫定水域は韓国漁船の占有同然であり、3隻は操業できない状況にある。
3. 資源回復計画にもとづくベニズワイカニの休業機関見直し対策の促進
今年度から実施している回復計画は、この3隻を除く12隻を前提にしたもので、6月から8月までの3ケ月間でおこなっているが、3隻も対象となることから計画に狂いが生じた。
4. 日本海沖合域における国が主体となった漁場整備事業の創設対策の促進
これまでの漁場整備は沿岸域でしかおこなわれなかった。たとえばマツバガニ牧場などのようにベニズワイ牧場を、沖合域に構築していただきたい。
5. 代船建造対策の促進
現在のかにかご漁船は建造から20年以上経て老朽化が著しいが、漁業環境は依然厳しく、経営保全に苦慮しており、代船建造が困難にある。たとえばリース方式など考えていただきたい。
農林水産大臣などの回答
1.抜本的な金融対策(無担保・無保証・無利息)の促進
○無利子については、現在、ゼロに近づくような取り組みをしている。
○無担保、無保証については可能な限り努力したい。
2.北朝鮮海域での操業漁船支援対策の促進
○業界全体と話し合いながら模索したい。
3.資源回復計画にもとづくベニズワイカニの休業期間の見直し対策の促進
○深刻な問題だ。相談しながら考えたい。
4.日本海沖合域における国が主体となった漁場整備事業の創設対策の促進
○可能な限り対応したいと考えているが、水深が深いこともあり技術的な検討が必要だ。
5.代船建造対策の促進
○漁船漁業の構造改革であり、全国的に取り組みたい。






