「生活安全条例」考・・2

全国どこでもいっしょだが、持ち出される理由は「子どもたちをめぐる凶悪犯罪が増えているから」だということ。果たして根拠はあるのか、私は警察署にいって鳥取県内の犯罪状況を調べてきた。

(1)
報道される各地の事件は痛たましいが、県内で、市内で、子どもを狙った凶悪犯罪が増えたという事実はない。そして実は全国的にもそうなのだ。というより、そういう統計がない。
警察庁のまとめた『犯罪白書』にも鳥取県警の統計でも、窃盗犯は?とか、殺人事件は?という類型別の犯罪の統計、少年が加害者となるいわゆる「少年刑法犯」の統計はあっても、幼児、少年などが被害者となった事件の統計はない。「あるなら見せて」との私の要請に、市の担当課長は「ない」と答えた。
(2)
この『犯罪白書』の第1図《刑法犯認知件数・検挙人数》のグラフを見て、あなたは何を知るだろう。鳥取県内のその推移もほぼ同様の傾向を示しているのだが、確かに平成12年(00年)ごろから「事件が増えている」ように見える。だがこれは、どこまでも「認知件数」であって、イコール「犯罪急増の証拠」にはならない。
1999年の桶川ストーカー殺人事件で世論から責められた警察は、被害届をまずは受理するようになった。翌年の「00年からの「認知」件数の急増はその反映であって、犯罪の実数が増えたわけではない」という指摘がある。グラフを見てついでに言えば、下の方、交通事案を除く「一般刑法犯の検挙人数はさして増えていない」ことにも、それは現れているのでないだろうか。
(3)
昔もいまも、痛ましい事件がないわけじゃない。そしていま、多くの市民が不安に駆られているのは社会的現実だ。だがそこに、かってと違う「かき立てるような」報道の問題が指摘されるようになって久しい。事実の検証なしに、不安に駆られ掻き立てられ、集団ヒステリーのように自縄自縛の社会へ暴走してよいのだろうか?
「景気回復へ公共事業だ!」と言われては、ドーとなびき、夕日ケ丘で莫大な借金を抱え、「これからの循環型社会は、灰溶融炉だ!」と言われては・・・もう言わないが、大事な政策決定は「落ち着いて、事実を基礎にして、科学的な検証に耐える」ものにして欲しいものだ。
ちょっと長くなった。最後までお読みくださってありがとう。まだ続きます。

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