「生活安全条例」考・・3

もう一度、『犯罪白書』に帰るのですが、平成17年度版犯罪白書からもっと解り易いグラフを見つけたので、あわせて《総務省:各種統計に見るジニ係数》というグラフも紹介します。

私はなにも、「犯罪が増えていない」などというつもりはありません。その原因を考えず、手を打たず、対症療法でことをすませていてよいか、と思うのです。
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各種統計に見るジニ係数
総務省
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二つのグラフ見て、あなたはなにを思いますか。
平成元年の消費税導入以降、「構造改革」、「規制緩和」、そして「痛みをともなう改革」の叫びとともに進む格差社会、リストラ、倒産、廃業、失業という言葉が飛び交ったほどに広がる貧困、私にはこの10余年の歴史と増える犯罪が重なって見えるのですが。
平成17年度版犯罪白書
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(1)
『犯罪白書』をみても、大幅に増えているのは窃盗犯(水色の棒グラフ)です。鳥取県警犯罪統計もその通りで、境港警察署生活安全刑事課長の説明でも、増えているのはひったくり、万引き、放置自転車の乗り逃げなどでした。
殺人などはどうか。平成17年版犯罪白書は「殺人の認知件数は、長期減少傾向を経て横ばい又は微増傾向にあり、平成16年は1,419件(前年比33件(2.3%)減)であった」と書いています。
1年ほど前だったと思うが、「高齢者の万引きなどが増えている」という警察のコメントがありましたが、増えているとはいっても、それはまさに、暮らしの困難が引き起こす犯罪ではないでしょうか? だからとてそれを良しとする気はありませんが、「犯罪のない安全で安心なまちづくり」を言うなら、まずもって政治が立ち向かうべきは、「病気の原因」=貧困の打開、暮らしの支援ではないか?そこはどうするの?そのことなしに、「変人はいないか?」、「変質者は?」と「見回り」なのでしょうか?と言いたいのです。
(2)
社会は様々な職種を、お互いに担いあうことで成り立っています。仕事が違えば生活のリズムは違い、富める者もいれば貧しい者もいます。そこには必ず異なる価値観を生み出します。精神障害者や知的障害者、また地域によってはホームレスもいたりします。それでも共生しあっていくのが地域です。
東京にいた頃の話ですが、少し知恵遅れの友人がいました。ずいぶん人懐っこい人で、いつもニコニコ、誰にでも声をかけていました。私たちにとっては、見慣れたことでしたし、彼には何の故意もないのですが、突然、声をかけられたりした人たちは、びっくりしたことでしょう。でもその頃、社会はまだ寛容な時代でした。いま、どうしているだろうか?私は、彼のことを思いだしています。
一般市民であるパトロールが、何をもって「不審な行動」とみなすのでしょうか。いろいろなハンディがあって、普通の市民とは異なる生活リズムやスタイルの人々の「普通の挙動」が、「不審な挙動」として「警察に通報」となってゆく危険はないでしょうか?
不安を掻き立てあい、市民お互いが「警察」の目で監視しあう地域へのとりくみ・・・。それが私たちのめざす地域でしょうか?
関係者は「そんなことはない」と断言されるでしょう。ですが、「生活安全条例」をつくった武蔵野市は広報(02年7月1日)に、「不審な行動をとる人を厳しい目でみつけだし、すばやく警察に通報」と書いたのです。

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