私のブログをお読みくださっている方々はお気づきのことと思うが、昨年来、私は“アメリカ”、“中南米”にこだわってきた。それは、参議院選挙にみるような戦後政治最大の転換期にあって、新しい日本の方向を考えるとき欠かせないのが、アメリカとはいったいどういう国かということだと思うからだ。なにせ・・・
わが国最大の「同盟国」なのだ。この国のありよう、行く末が気にかかる。いちばん近くにあって日本以上にアメリカと“かかわって”きた中南米、その行きついた先が気にかかるではないか。
たとえば昭和18年生まれの私にしても生まれてこの方、あふれるアメリカ文化のなかで育ってきた。めざすはアメリカであり、世界といえば=アメリカであり、ならばアメリカと外交の基軸を同じくすることなど当たり前ではないか・・そういう社会で生きてきた。
それでも私は若くしてベトナム反戦運動を知り、アメリカという国の姿について知らないではなかった。しかしそれでも長い人生、社会全体がかもし出す雰囲気に無関係ではありえない。なお多くの人々にとって、およそ“アメリカ=国際標準“という報道の影響は避けようもない。
![]()
クリックで拡大
この正月は、伊藤千尋著「反米大陸」(集英社新書)を読んだ。朝日新聞特派員として70年代から90年代の中南米やアメリカを取材し続けた政治記者。
彼は1776年、独立したときわずか東部13州だったアメリカが、どのようにしてインディアンを追いたてメキシコを騙し、西海岸に至るいまの合衆国となったか、「帝国」へいたる建国の歴史を描く。そして海外への覇権の歴史へと筆をすすめて、石油大国ベネズエラがなぜ、ウーゴ・チャべスを生み出し、なぜ反米化したかから始まって、アメリカによる中南米侵略と支配、収奪の歴史を史実にもとづいて解き明かす。そこにあるのは、古くはチキータバナナで知られるユナイテッドフルーツ社から始まって最新の国際通信企業ITTに至る、アメリカ資本の権益擁護のためなら侵略、政権転覆、軍事独裁政権樹立、おぞましい住民虐殺、なんでもありの歴史だ。これが改めて知る「自由と民主主義」の国、アメリカなのだ。
民主的に選出されたチリのアジェンデ政権を打倒したピノチェト将軍の軍事クーデターを演出し、準備し支援したのがCIAだったことは、すでに知られたことだが、著者はその日が1973年9月11日であったことを思い出せという。グラウンド・ゼロの28年前の「9.11」だ。このクーデターでは3000人とも3万人とも言われる市民が殺害された。チリの人々にとってはアメリカこそ「テロ」国家なのだ。
地図をしかとごらんいただきたい。いま中南米に広がる反米・経済的自立の動きがすごい。これがいまの中南米の姿。しんぶん「赤旗」読者でなければ、おそらく知る人は少ないだろう。日本のマスコミはほとんど報道しないのだから。
この本を読んで、中南米自立への理由、必然性がしかとわかった。お勧めの一冊。
日本はこの「落日の帝国」=アメリカに最後まで付き従いつづけるのか。
長くなったので、今日はここまで。







Comments.