能あるタカも、ないタカも

あけましておめでとうございます。
昨年春に渡米し、馴れない地であたふたしているうちに、あっという間に新年がやってきました。アメリカの情報は日本にもイヤと言うほどあふれていますが、住むようになって初めて感じたことも多々ありました。
好き放題させてもらっている身で、こちらで感じたことを独り占めというのもナンだなー、ということで、時々このような独り言を掲載させてもらうこととなりましたので、ヒマのあるときにでも笑いながら読んでやってください。(定岡由紀子)


坂の多い街です

学生なので一応大学生活がメインとなるわけですが、日本の大学との違いには驚きました。「日本の大学は入るのが難しく卒業は簡単。アメリカの大学は、入学は楽だが卒業は大変」とよく言われますが、まさにその通り。授業ではテキストをなぞっていくことなどしないので、毎回山のように予習をしておかなければならない。授業ではそれをもとに情報を付け加えていく、話をほりさげていくといった感じなので、テキストを読み、さらに授業に出席しなくてはついていけません。入試だけがんばってあとは東京生活を楽しむだけ、出席しなくても単位は取れる、という日本の大学生活とは大違いです。
お気に入りの授業は東アジア史で、日本史も含んでいるのですが、教授がNY育ちの中国人ということもあり、なかなか新鮮に感じることもあります。なにより違うのは、何年に何が起こったという暗記作業を一切せず、どのような時代を背景にどのような事件が起こり、それが後の日本(あるいは中国・韓国)をどのように形作っていくか、ということにひたすら集中して授業が進められたことです。
試験問題にも舌を巻きました。いい例はこれ。「あなたが西郷隆盛だと想像してみてください。そしてタイムマシンに乗って平安時代・鎌倉時代に行きます。あなたなら、その時代にどのような新しい設定をしますか?そしてその事実が、西郷隆盛の時代にどのような影響を及ぼしますか?」 常に歴史を連続体として捉えて勉強していないと、まったく手の出ない問題です。日本史の問題でありながら『純粋日本式学習培養人』には回答不能でしょう。
日本との違いに驚いた、と教授に告げると「歴史を暗記というのは私だいっきらい!」と一蹴されました。
ちなみに日本社会についてのテキスト(元駐日大使ライシャワー氏の著書です)には、日本の受験地獄、「教育ママ」、丸暗記傾向なども紹介されており、読みながらずっと苦笑でした。

サンフランシスコ中心街

では、アメリカの学生は日本の学生よりも考察力があるのか!?決してそんなことはありません。アメリカの学生は講義中にもどんどん手を上げて発言をしますが、中にはまったく見当違いな発言を堂々としている人もいます。ただし、意見を言うことを躊躇しません。上記の問題にも、アメリカの学生はどんどん珍解答をするんだろうなぁ、と思います。どんな内容であろうが、自分はこのように思うのだ!とはっきり言うということが、しっかり文化なのだなぁと感心しました。講義を聴いてふんふん、とうなづいているだけでは「分かった」ことにはならないのだそうです。間違っていようが、手をぶんぶん振り回して「私分かったよー!このように理解したよー!」と大声で言うことが、むしろ要求されるのです。これは日本人の私にとっては、ほとんど不可能に近いチャレンジでした・・・。
教訓:能あるタカも、能のないタカも、とりあえず爪はアピールしとけ!!

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