このコラムは基本的に、日々の生活のことを書く予定なんですが、ちょっと興味深いニュースがあったので、ひとつご紹介を。
サンフランシスコ市の現ニューソム市長が就任した直後から、ずっと大騒ぎのトピックがありました。それは同性同士の婚姻を認めるかどうか、ということ。カリフォルニア州の法律では現在禁止なのですが、5月15日、カリフォルニア最高裁が「同性結婚禁止規定は違憲」という判決を出しました。全米、いやおそらく世界のゲイカルチャーの中心地であるサンフランシスコはお祝いで大騒ぎでした。

ゲイカルチャーフラッグ
そもそもニューソム市長が「同性婚姻禁止の州法こそ州憲法に定める個人の平等に反する」として、市として同性婚姻を認め、同性カップルに結婚証明書を発行し始めたのが2004年。それを州が「市の裁量を逸脱する」として無効訴訟を起こしたり、逆に支援者が州法の違憲訴訟を起こしたり、シュワルツネッガー州知事が司法長官に「市に対して法的措置を取れ」と言って、逆に司法長官から「いくらターミネーターでも司法長官をコントロールはできないぞ」と、名言でやり返されたり、いや、それはすごい争いでした。
州最高裁から仮差止め命令が出されるまでの1ヶ月の間に、発行された結婚証明書はじつに4000組以上。結婚証明書の有効性については州最高裁で無効とされたわけですが、州法が違憲だと訴えていた裁判で、その主張が容認されたわけです。いや、すごい。さすが、全米で最初に異人種同士の婚姻禁止を違憲だとした裁判所です。さすがのターミネーター州知事も、今度ばかりは「判決を尊重する」と言っています。
面白いなぁと思ったのは、州の差止め訴訟などに対して、市が「市のことに介入するな」と逆に州を訴えたこと。合衆国とその中の州も、州とその中の市も、完全に対等な権力を持つ団体という感覚が徹底しています。州都が決して大都市ではない(カリフォルニア州都はLAでもサンフランシスコでもない。ニューヨーク州都はニューヨークシティではない。イリノイ州都はシカゴではない)ということにも見られるとおり、どこかに力が集中することをとても嫌う伝統があるようです。「小さな政府」の是非はともかくとして・・・。

オーシャンビーチの夕暮れ
さて、私はこの判決、大賛成です。幸せになれる人が増えて何が悪いのでしょう?ただ、アメリカで反対意見が根強いのは宗教上の理由もあり、そうなると宗教について無知な私にはコメントしにくくなるのですが、問題は「不自然だ」「倫理に反する」といった理由です。日ごろリベラルで通っている人であっても、こと同性愛問題に関してだけは頭が固くなってしまう人もいるようです。
ご存知でしょうか?アメリカではほんの40年前まで、白人とNegro(黒人)、Mulatto(白人と黒人の混血)、Mongolian(モンゴル系人種)の結婚が禁止されていました。Negro, Mulattoなど、言葉自体がすでに差別的として使われていませんが、どうやら法律にこのように記載されていたようです。そしてその根拠がまさに「倫理的でない」「不自然だ」というものでした。連邦最高裁が異人種間婚姻を認めるよりも20年早く、それを認めたのが今回のカリフォルニア州最高裁だったのです(もっとも同性婚についてはマサチューセッツ州ですでに認められており、カリフォルニア州は2番目ということになります)。
たくさんの異人種カップルが差別と闘ってきたことによって、今となっては「えっ?そんな法律があったの!?」と思えるくらい、異人種カップルも「自然」なこととなりました。ゲイカップルもこの闘いの末に「昔は禁止されていたんだよ」などと言われるくらい「自然」なことになっていくことでしょう。もっとも、サンフランシスコでは、男性同士が手をつないで歩いていることも、すでに「自然」な光景ですが。
----------------------- (定岡由紀子・サンフランシスコ在住)







川本さま。お名前、どっかでお読みした記憶がありますが、ていねいなコメントお寄せいただきありがとうございます。
このエントリーは弁護士をしています娘の投稿記事です。この問題に関して私自身がどうかといわれれば、「理解したい」と思っていますが、娘のいう「日ごろリベラルで通っている人であっても、こと同性愛問題に関してだけは頭が固くなってしまう」、そんな残滓がないとはいえないのが、正直なところでしょうか。
すでにお読みいただいているかもしれませんが、共産党としての性的人権に関する公式見解と、医師でもあり、日本共産党の参議院選挙候補としてがんばっている谷川智行さんのブログから、同性婚姻に関する見解を紹介しておきます。
そこでは、「同性カップルの不利益解消は、政治の責任!」と題して、「同性婚を法的に認めさせていくべきだと強く感じます」と述べています。
Posted: sada | 2009年09月19日 07:53
いわゆるの人権保障のため国際連合人権高等弁務官であった2006年ルイーズ・アルブールの影響下で成立した「モントリオール宣言」や性的指向や性自認による差別の禁止を明言した「ジョグジャカルタ原則」、さらに2008年国連総会の「性的志向と性自認に関する声明」にもかかわらず、この日本において同性婚姻はおろか「パートナーシップ制度」も確立されず当事者の生活権が侵害されているのはなぜでしょうか。このことは2008年に国際連合人権委員会より厳しく懸念と勧告がなされています。現在同性婚姻が認められている地域はすべて同性愛を20世紀前までは「犯罪」とみなしていたのです。従って現在の日本の状況はいかなる理由を持っても正当化できません。「同性婚姻が日本国憲法に反する」と主張するものが目立ちますが、それは「両性」の解釈によるものでしょう。たとえ憲法を改正しなくとも「両性」を「男」、「女」ではなく「二人の個人」と解釈すれば同性の婚姻は可能なはずです。すべての良識ある政治家の皆様には「同性婚姻」の必要性を真剣に認識していただきたいものです。
Posted: 川本ゆり | 2009年09月18日 19:05