4)マッチョな男もいまは

もう少し、暮らしぶりのこと。
車中、私はスサーナさんに、「家庭では男女、どちらが主導権を?」と聞いた。「もともとスペイン系。マッチョな男の国だったが、革命後すっかり変わった。いま、私が稼いだ分は私のもの。だけどよく相談する。最後は夫がリードすることが多いかも」との答えだった。

キューバ革命は、それまで大変低かった女性の地位についても多くの変革をもたらした。ラウル・カストロの妻が担当した女性連盟は、女性の就業の場づくりから始め、必要となる幼稚園づくり、つぎは・・と活動を広げた。いま、産休は周産前後1年、夫婦どちらでもOK。子どもが小さい間は1月1回ぐらい、母親が子どもの通院休暇をとれるのだそうだ。そして、国会議員の48%が女性となった。いずれもスサーナさんの話。


カーニバルの準備

ついでに「社会主義=悪平等論」について。
職種によって給料が違うということに、まずは、やはりそうか!と納得した。キューバではたとえば手作業や肉体の単純労働から、サービス労働者、行政部門の労働者、医師や教師や技術者・・・など、求められる資質、習得にいたる努力の違い、社会的役割の大きさなどによって給料には差があるのだ。がんばったものは報われるのだ。
そして改めて「教育の機会均等」の大事さに気がついた。人生の出発点たる教育の機会が無料ですべての国民に開かれていることが大事なのだ。そのうえでなら、がんばった者、努力した者がそれにふさわしい報酬をうることは社会が容易に合意できることだ。このシステムが機能する限り、「社会主義では怠け者が得をする」などということにはならない。誰もが未来に希望をもって勉学・努力するだろう。だからキューバはいま、高等教育機関が発達し、中南米やアフリカ諸国、「108ケ国に医療、スポーツ、教育分野で4万人近い専門家を派遣する(*3)」という稀有な国となっているのだ。

ヒッチハイクの青年たち

行ってみて実感できたことの一つだった。
誰かが「残業はあるのか?」と聞いた答えに驚いた。精々、残業手当のことで聞くべき話でもあるかと思ったが、答はこうだ。「残業はない」。早出とか遅出とか、職種によって違いはあっても「残業はない」というのだ。いったい日本のサービス残業って、なんなのだ!

(*3)『小さな国の大きな奇跡』吉田沙由里著・WAVE出版より

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