さて、懸念されたブラッドリー効果もなんのその、圧勝で黒人大統領が誕生しました。まずは人種の壁を乗りこえたことを祝いましょう。
今日は朝から選挙一色。道にはオバマのプラカードを掲げた人が並び、歩いていると「もう投票は済ませましたか?」と聞かれ、

ある授業では先生が入ってくるなり「今日のクラスはキャンセル!あなたたち投票に行きなさい!」と叫んで帰ってしまったらしい(18歳から投票権があるので大学生はみな有権者-留学生を除けば)。
今日の投票は州議会、市議会議員などの地方選挙も同時に行われ、さらにカリフォルニアでは利益団体が提案した法案(市の法案・州の法案両方とも)への住民投票「プロポジション」制度を含んでいます。町には市議会議員の候補者のポスターとともに「○○法案に賛成しよう!」「△△法案に反対しよう!」というポスターだらけ。

家にも○○法案に賛成しろ、反対しろ、のビラがこれでもかとばかり投げ込まれます。
一番の関心事はプロポジション8。同性婚を認めた最高裁判決を覆そうとする、反対団体からの提案です。これが通ったらまた同性婚が禁止になってしまうので、ここ最近「No on prop8」というのはちょっとしたサンフランシスコの合言葉のようになってました。
こういう個別法案にそれぞれYES, NOと投票できるので、その法案だけについて運動する団体というのもでてきて、そもそも選挙運動に占めるボランティアの役割が非常に大きいこととあわせて、ほんとうに選挙運動が市民レベルで行われている、という印象が非常に強い。オバマ新大統領が「This is your victory!」とスピーチしていましたが、日本でなら空々しく聞こえそうなこのセリフも、この間の選挙ボランティアの活躍などを見ていると、とても実感があります。
さて、話を今日に戻します。投票所はいたるところに設けられ、街角のカフェまで投票所になってます。

市役所まで行ってみると、入り口前ではいろんな団体がデモンストレーション。というか主に「No on prop 8」。中にはもう5時を回っているというのに、長蛇の列。
街中のスポーツバーは「Election Night」と看板を出してテレビでニュースを流し、人々は結果を見にバーに集まってくる。どうやら共和党系の人が集まっているバーは閑散としている。午後8時。サンフランシスコでは投票終了時刻だが、3時間もある時差のため、たとえばNYなど東海岸ではすでに開票がはじまっている。どんどんオバマ氏の数字が増え・・・カリフォルニア州の開票を待たず、当選が決まってしまいました!(まぁカリフォルニアは民主党に決まってますけどね)
バーの中も熱狂。スピーチが始まるとバーは静まり返り、テレビの中の聴衆とともに拍手し、歓声をあげる。オバマ氏がスピーチの端々で「Yes, we can!」と言うとバーの中でも「Yes, we can!」と歓声があがる。バーに集まってる人なんかは、まぁ、お祭り気分の人も多いのでしょうが、本当に選挙が「自分たちのイベント」なのだなぁ、と感じる。

そこらじゅう投票所って感じ。ここはカフェが投票所になっている
さきの選挙活動の話に戻りますが、様々な利益団体が支持する法案や候補者を明示してボランティアを組織し、高校生から退職後のおじいちゃんまで、移民労働者や市民権のない人まで、選挙人登録の呼びかけからビラまき、戸別訪問に走り回る。市民としての義務感だけでなく、選挙への参加を楽しんでいるようにも見えた。
そう思いながらスピーチを聞いていると、なるほど、オバマ氏の使う主語は「I」ではなく「We」「You」がほとんどで、これが私たちの政治なのだ、ということがすごく強調されている。スピーチ戦略なのだろうけど、そこに「選挙に関わってきた」人々は熱狂する。私自身、政治参加といえば当日に投票することだけ、という人間なので(そして大部分の日本人がそうじゃないだろうか?)きっと日本の政治家にこんなスピーチされてもしらけちゃうだろうな、などと思いながらスピーチを聞いたのでした。
帰り道、酔っ払った人に「おめでとう!!」と声をかけられました。どうやらサンフランシスコ市民は行きかう人すべてが民主党支持者だと信じているのでしょう。たしかに石を投げたら民主党支持者にあたる町ではありますが。
さて、法案の結果はどうなったのだろう...明日は新聞を見てから学校に行かないと、授業の話題についていけないことでしょう。
(サンフランシスコ在住・定岡由紀子・現地時間5日午前1時)







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