秋田県藤里町が不参加表明

小中学校を対象にした2009年度の全国学力テストについて、秋田県藤里町教育委員会は8日、寺田典城知事が07、08両年度の県内市町村別の成績を公表したことを理由に、現時点での不参加を教育委員の全員一致で決めた。
同町の古川弘昭教育長は「市町村名を具体的に挙げて公表されると、成績が悪かった場合に子供たちが傷つくことになる。今回のような公表があるとすれば参加できない」と述べた。くわしくは、こちらをお読みください。
12月議会での学力テストに関する追及部分で、私は・・・・・

1976年の『旭川学力テスト事件最高裁大法廷判決』を引用し、結果の公表を迫る議論の不当性を指摘した。
この裁判は、昭和31年からおこなわれた全国中学校一斉学力調査(学テ)にからんで、その違法性を問う裁判で、最終的に最高裁は、「旧教育基本法10条1項の「不当な支配」にあたるものとはいえない」として原告の訴えを退けたのですが、その根拠として、
試験問題の程度は全体として平易なものとし、特別の準備を要しないものとすることとされていたこと
個々の学校、生徒、市町村、都道府県についての調査結果は公表しないこととされる等一定の配慮が加えられていたこと
教育の自由な創意と工夫による教育活動を妨げる危険性についても、教師自身を含めた教育関係者、父母、その他社会一般の良識を前提とする限り、それが全国的に現実化し、教育の自由が阻害されることとなる可能性がそれほど強いとはいえないこと
等を考慮して、実施されたことをあげたのだった。逆にいえば、このどれかが崩れれば全国いっせい学力テストは、違法、不当なものとして排斥されることになる。
「つまり、②に反して、学校別、市町村別などの結果が公表される状況であれば、教育基本法に照らして違法だったというのが、最高裁判決ではないか」と問いかけた。

『旭川学力テスト事件最高裁大法廷判決』それ自体は、こちら。これを読み解くための08年2月15日、日本弁護士連合会の『全国学力調査に関する意見書』はこちらからPDFでお読みいただけます。

日弁連意見書の『まとめ』の部分だけ引用・紹介しておきます。
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雪の造形
05年1月


当連合会は、文部科学省が、全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、各地域における児童生徒の学力を把握・分析するために何らかの学力調査を行う必要性そのものを否定するものではない。
しかしながら、文部科学省が小学校第6学年、中学校第3学年の全児童生徒を対象として、いわゆる悉皆調査として2007年4月に実施し、かつ、今後も実施しようとしている全国学力調査は、以上述べたような、問題の難易度、結果の公表、情報公開制度、毎年実施の継続性等を前提とするのであれば、教育現場における成績重視の風潮、過度な競争を招来し、教師の自由で創造的な教育活動を妨げ、文部科学大臣の教育に対する「不当な支配」(教育基本法16条1項)に該当する違法の疑いが強い。また、子どもの立場からすれば、子どもたち全体が学校現場における過度の競争にさらされ、継続的な肉体的・精神的負荷を抱え込み、全人格的な発達を阻害されるばかりか、障害のある子どもは差別を受けるなど、一人ひとりの個性に応じた弾力的な教育を受ける権利を侵害されるおそれが大きい。
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このような事態は、全国学力調査が必要であると考えたとしても、正当化することができないものである。
ところで、学力調査の方法としては、全国一斉の悉皆調査は一般的なものではなく、我が国も参加したPISA(OECD生徒の学習到達度調査)、TIMSS(国際教育到達度評価学会(IEA)による国際数学・理科教育動向調査)などは、調査対象とする学校及び児童・生徒を抽出する、いわゆるサンプル調査であり、また、米国において全米規模で定期的に行われている学力調査(NAEP)もサンプル調査である。このような方法による学力調査であれば、上記のような問題点も解消され得るものと考えられる。
よって、当連合会は、2008年以降において、全国学力調査を、2007年と同様の方法による、いわゆる悉皆調査として実施することに反対するとともに、学力調査の方法につき、調査対象とする学校及び児童生徒を抽出する方法によるいわゆるサンプル調査とするなど、上記のような問題が解消されるような方法に改めることを求めるものである。

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