貧困と肥満と

車大国アメリカにあって珍しく、公共交通機関での生活が楽なサンフランシスコですが、やはり車を持たずバス利用というのは、留学生のような一時的滞在者は別として、裕福な層には属しません。
我が家からダウンタウンに向かうバスは『セクター』と呼ばれる低所得者向け住宅地域を通り抜けるルートを通り、その辺りでは黒人が続々とバスに乗ってくるのですが・・・・・・・

『肥満』と言っていいだろう黒人の小学生がスナック菓子をポリポリかじって(というより、ムシャムシャかきこんで)いるのをよく見かけます。『まったく。結局そういう食習慣の家で肥満の子は育つんだよなぁ』と思い、以前に友人が『子供にきちんとした食習慣を教えないのは親による虐待と言っていい』と言っていたのを思い出しもしますが、一方で、よく言われる『肥満は貧困の所産である』という理屈が、ここでは日本以上に露骨に当てはまるようにも感じます。
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夕景のサンフランシスコ


『セクター』の真ん中にあるのは「1食3ドル以下!」と看板を掲げたマクドナルドやケンタッキーなどのファーストフードが並び、一方で白人率の高い、賃料の高いエリアにはオーガニック食材のお店やヘルシー志向のレストランが立ち並びます。
たとえば私がアジア人エリアに住んでいた時には、アジア食材が豊富なスーパーに近くて便利と感じたように、同じ人種で集まって生活する方が便宜という面もありますが、賃料の高い低いでそこに住む人種に偏りが出てくるというのがアメリカの露骨なところで、その住むエリアによってヘルシーな食事へのアクセスも異なってくるのです。
また、何のドキュメンタリーだったか忘れましたが、公害やシックハウスも低所得者地域に集中して問題となっており、アメリカの医療事情(このホームページをご覧の方はよくご存知でしょう)ともあいまって、社会的な要因が平均寿命を大きく左右している、という番組を見たことがあります。所得によって住むエリアが限定され、それによって健康な住環境へのアクセス、医療へのアクセスも制限されるのです。
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SFは桜の季節も終わり。いまは梅雨


肥満に話を戻すと、いくつもパートをかけもちしている忙しいお母さんが出来合いの食事で済ませがちというのは、日本も変わらない話ですが、欧米人・黒人がアジア人より肥満になりやすいのと、日本人の舌がそうそう油っぽい食事の連続に耐えられない(同じ100円なら私はハンバーガーよりおにぎりを買います)ことで、アメリカの方が、より肥満がクローズアップされるのでしょう。
大きなスーパーは割と平均して分布していますが、忙しいお母さんの家の前に、健康にはよろしくないが(毎日食べるに耐えうる)安いお店を出されたら、それに飛びつくなというのは難しい話で、労働市場・食産業側の責任を考えずにはいられません。まぁ、アメリカでは『自己責任』と言われて終わりなのでしょうけど。
                 (在サンフランシスコ 定岡由紀子)

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