安来駅までドライブした9月30日、そのあとは甥の聖さん運転で智頭町へのドライブでした。
私の姉がアメリカにいることは、《60男のアメリカ初体験記》でご承知いただいていることと思いますが、姉の娘が新婚旅行でこちらに来ていて、ワインセラーで働いている彼氏、mr.ステイシーのたっての希望が智頭の諏訪酒造訪問というわけでこのドライブ。向こうで扱っている日本酒で有名なのがこの蔵が送り出す『諏訪泉』、『満天星』だというのです。
蔵元のご了解をえてご紹介します。

左から杜氏さん、mr.ステイシー、蔵元の東田さん、聖さん
あらかじめ訪問の意を伝えてあった蔵は大歓迎。蔵元と杜氏がお出迎え。休業期でしたが、蔵のなか、洗米から始まる製造工程のすべてにわたって説明、質問に応じてくださったのです。通訳?いえ、とても私は・・。聖さんが、なかなかどうして立派なものでした。mr.ステイシーは日本へ来た甲斐があったと大喜びで帰っていきました。
私もまた私の関心にそって、蔵元にいろいろ質問させていただいたのですが、まだ若い7代目蔵元・東田雅彦氏の酒造りにかける想いに感動を覚えたのです。
聞けば、大手と中小の醸造効率には100倍の違いがあるのだそうです。

左から蔵元、mr.ステイシー、聖さん
蔵元:「ある大手は7人で7万石を醸すが、うちは7人で700石です。効率では太刀打ちできません」
私:「どう対処?」
蔵元:「先代からやっていた桶売り(桶単位で大手に売ること。大手はそれを瓶詰めして売りだす)をやめて、純米酒一本に絞りました。ダウンサイジングです」
私:「日本酒離れですが・・・」
蔵元:「私はものごとを“総体”ではとらえません。本物は伸びる。この市場はこれからです」
私:「鳥取県は環日本海航路で、県内産品の韓国、ロシア輸出に一生懸命ですが・・・」
蔵元:「私はまったく気が動きません。まずは国内で喜んで飲んでいただけるものをつくることです。でなければ、世界に失礼です」

いただいたお土産の数々
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「満天星ひやおろし」などたくさんのお土産をくださった蔵元が、「定岡さん。これはお買いくださいませんか。お読みいただきたい」といって手渡された本が『闘う純米酒』(上野敏彦著・平凡社刊)です。
「アル添」とか「3増酒」とかいう言葉を始めて知りました。アルコール添加とか、3倍増醸清酒のことだそうです。戦後の醸造業界のなかで、本物の酒、「稲作文化の生んだ偉大な華=日本酒」をとり戻そうとする心ある蔵元たちの、業界からの批判や税務署からの圧力に抗して、稲作農家、販売店主や愛飲家とともに、最後は酒米の無農薬栽培まですすむたたかいの記録でした。
ものづくりのありようが問われるいま、どんな分野でもほんものを追い求める人々はすごい・・・学ばされる本です。

夏子の酒の原画
諏訪酒造は、マンガ『夏子の酒』の取材先となったことでも有名です。原画が展示されていました。
境港でこのお酒が買えるのは、酒や乃えんどうぐらいか。全国的な販売網は、お土産の写真のクリックでつながるネットショップ梶屋のサイトに紹介されています。







お酒のこととてもいい記事です。よき伝統を壊してきたことをしっかり反省してものづくりをすすめたいです。
Posted: 久代安敏 | 2009年10月27日 08:55