冬休みを利用して、いま、中米の北端、メキシコの南東に位置するグアテマラにきています。
最初に訪れたケツァルテナンゴ(通称シエラ)という町は、首都のグアテマラシティからバスで約4時間、標高2000m以上という高地にあるので、南の国といえど、長袖や夜にはジャケットが手放せない、ずいぶんと寒い。夏は夏で雨季になってしまって太陽が出ないので、冬は寒いといっても、シエラの人々にとっては、太陽を楽しめるシーズンなのだそうだ。
ところが到着後2日間はすごい大雨。しかもいつもにないほど寒くて、富士山ほどの高さのサンタマリア火山の頂上に雪が積もったと大ニュース。家の中でも皆、ジャケットを着て、毛糸の帽子をかぶって、防寒対策(エアコンはないらしい)。

2週間お世話になるのは、何10年も観光客のホームステイをしているというマルティータおばあさん。一緒に住んでいるのは、マコおじいさんと孫夫婦と犬2匹。いわゆるメスティソと呼ばれるスペイン人とマヤインディオの混血の子孫で、白人が上流階級を占めるグアテマラにあって(ラテンアメリカはどこでもそうだけど)、子供さんたちは皆大学を出ていて、中流より上の階級なんだろうと思う。水洗トイレも、温水のシャワーも、電子レンジも洗濯機もある。子供たちもそれぞれ携帯電話を持っているけど、インターネットは普及し始めたばかりで、個人の家にはまずないらしい。その代わりインターネットカフェがいたるところにある。1時間1ケツァール(US$1=Q8=\80とすると、10円くらい?)。
娘さんが2人、結婚して近所に住んでいて、お昼になるといつも旦那さんと子供たちと一緒にごはんを食べに来る。奥さんも働いている家庭では、おばあさんの家にごはんを食べに行くのは珍しくないらしい。
あちこちに日用品を売る小間物屋さんがあるが、開いているドアから覗くと鉄格子がはまっているので、今日は休みなのかと思ったら、常に鉄格子越しに売り買いをするらしい。こんにちはー、と声をかけると奥から人が出てくる。国内の犯罪のほとんどは首都グアテマラシティで起こっているとはいえ、やはりそれだけ犯罪が多いのだろう。メルカドで買い物をすると、おばさんに「バッグに気をつけなさいね」と言われるし、暗くなってからは出歩かないようにしている。

マルティータおばあさんは外に仕事は持っていないが、ラテンアメリカの中流家庭ではたいていそうである通り、この家にも先住民のシルビエンタ(お手伝いさん)がいる。ラテンアメリカではたいてい、肌の色が社会階級に直結している。一番上に白人(スペイン人の子孫)、真ん中にメスティソ、一番下に褐色の肌を持つマヤ系先住民、という具合に、肌の色がグラデーションを描いている。
先住民のことは別に書くとして、中流家庭の生活に話を戻すと、とにかく、日本人の私が不自由を感じることはほとんどないと言っていい。ときどき停電になるのと、電気が暗くて、夜ベッドで本を読めないくらいか。ほとんどの家庭が日本製の車を持っており、近郊の村に出かけるのにバスに乗ると、乗客はほとんど先住民だ。
インフラ整備は充分でないと言われているが、たしかに市内の道はでこぼこで、ひどいところは石畳で、風情はあるものの、歩くと足の裏が痛くてしかたないのだけど、幹線道路は見事に整備されている。山間の先住民の村まで、たいていどこでもハイウェイが走っている。バス網も充実していて(これがチキンバスという、また有名なバスなので別に書きます)、便利なのだけど、サスペンションがいかれているのか、あるいはないのか、ずっと揺れっぱなしで、お尻が痛いので、きれいな道路も台無しだ。
水道の水は飲めない。マルティータおばあさんは大きなペットボトルを買っている(届けてくれる)。それを専用の台にセットすると、なんと電気でお湯も出る仕組みになっている。水とお湯と蛇口が二つあるのだ。これはいい。500mlのペットボトルの水はQ3.5。約35円。

スーパーもあれば電気屋さんもあり、何でも売っている。日本製品は高いけど、やはり人気だそうで、中流家庭ではかなり日本製品を使っている。ところが面白いのは、まったく不便のない町でありながら、メルカドと呼ばれる青空市も充実していること。観光用ではなく、地元住民がキッチン用品や洋服、野菜など(ちょうどこのシーズンはクリスマスの飾りも)を買いに来るのだ。グアテマラは手織りの布が有名で、先住民は自分達で作った民族衣装を着るらしいが、やはり技術を持たない人もいるのか、市場で売り買いもされている。これは今回の旅の目的のひとつ。マルティータおばあちゃんも、トルティーヤやチキンなど、メルカドで調達しているらしい。
定番の食事は卵焼き(スクランブルだったり、目玉焼きだったり)にフリホーレス(黒豆をペースト状に煮たもの)、オレンジ色のついたご飯、とうもろこしの粉で作ったトルティージャ。これにチキンがついたり、野菜スープがついたりする。なかなか悪くない。
(サンフランシスコ在住・定岡由紀子)







Nさま。由紀子もグアテマラで毎日チェックしており、このコメントも読んで喜んでいることと思います。明日、グアテマラ編2回目をアップします。
それにしてもすごいことですね。地球の裏側とリアルタイムで情報がゆきかうのです。この技術の進歩には驚くばかりです。にもかかわらぬ、政治と社会の貧困はなんでしょうね。
Posted: sada | 2009年12月30日 08:07
びっくりしました。てっきり定岡さんがグアテマラ???おっちょこちょいです。でも「さもありなん」と思っています。面白く読ませていただきました。由紀子さまによろしく。
Posted: N | 2009年12月29日 12:30