“国策”について考える

今日は、倉吉が中心の中部9条の会の5周年イベント。境港九条の会を代表してあいさつにいってきました。そんな予定を話したら、妻が「白壁土蔵群をぶらつきたい」とのこと。二人で早めに出て、小雨の中でしたが、新緑を味わいながら山路をドライブしての倉吉行でした。

5周年イベントの講演テーマは、鳥取県史編さん委員・鳥取敬愛高校教頭の小山富見男さんの「満蒙開拓と鳥取県」。境港から始まったカナダ、北米移住の歴史を勉強し、昨年12月議会で120周年記念事業を提案した私にはたいへん興味深いテーマでしたが、豊富な資料も準備されてのお話は、長年のフィールドワーク、実証的な研究の成果をしっかり感じさせるものでした。
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小山富見男著「満蒙開拓と鳥取県」
発行・鳥取県 / 500円

満州侵略の一環として国策ですすめられ、多くの悲劇をうんだ満蒙開拓でしたが、驚いたのは都道府県人口に占める満蒙開拓青少年義勇軍に送りだされた人数の割合は、鳥取県が全国一位だったという指摘とデータです。教師の勧誘なくしてできなかったことでしょう。
「私はいま、懺悔の気持ちで書いているのです。小さな同情や、ごまかしではすまないのである。時代の流れとか、為政者の責任だとか言うのは卑怯である。全く私の不明の致すところであった。万死に値するものだと深く反省している」
・・・八頭郡のある先生の悔悟の念を、小山さんがその著書『満蒙開拓と鳥取県』で紹介されていますが、その心痛たるやいかばかりかと思います。
そうは言ってもやはり、ことは国が間違ったことの悲劇であり、間違った“国策”の責任を問うことこそ先でなければなりません。
これまた“国策”だった原発の今日をみるとき、ますますそう思うのです。九条の会とは一見縁のないように見えるテーマ「満蒙開拓と鳥取県」でしたが、しっかり日本の今とこれからを考える講演でした。

国策ねえ、甘い夢と苦い思いを呼び覚ます

そこで、田中かっちゃんブログで紹介されている『東奥日報』5/19の記事を転載しておきます。


 福島第1原発事故の被災者は「国策の被害者」だから「政府として最後の最後まできちっと責任を持って対応する」と菅直人首相が言った。国策ねえ。随分、県民を酔わせた言葉だ。甘い夢と苦い思いを呼び覚ます。
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 本県に富をもたらすはずが、そうでもなかった。砂鉄資源を生かそうとした製鉄事業は頓挫した。砂糖の国内自給策に乗ってビート栽培に励んだものの、自由化政策に切り替わって製糖工場はたちまち閉鎖だ。食糧増産の掛け声のもと開田に取り組んだら一転、減反の憂き目に遭った。
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 むつ小川原大規模開発は全国総合開発計画の核に位置付けた国策中の国策だった。不毛の地を一大工業基地にするという地域活性化の切り札が空手形に終わり、夢ははかなく消えた。悔しさをぶつけようにも、時代が変わったのだからと言われてはあきらめるしかなかった。
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 時代の風はいつだってつれなかった。歌の文句じゃないけれど、だましたやつが悪いのか、だまされた私たちが愚かだったのか。国策の被害者が県民だからといって、政府は過去の国策の見込み違いまで償ってはくれまい。夢から覚めて思うのは大樹によりかかる危うさだ。
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 不信をなじってもむなしい。肝心なのは自分の考えを深め、確かな目を持つことだろう。国民の安全と暮らしを守れない国策を目の当たりにした3.11以降、その思いを深くする。原子力とどう付き合うかの岐路に立って迎えた県知事選は、明日を生きる哲学をぶつけ合うものでなければならない。

東北だけではない。いくつかの事業名を差し替えればそのまま、私たちの体験してきたことではないでしょうか。
明日は、防災と原発について考える市議会全員協議会です。

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