コメント欄をお読みいただいている方はご承知のことと思いますが、sigonarazu2さまからの重ねての質問とご意見。コメント欄でのお答えには大きすぎるテーマなので、こちらの記事にしました。
ここんところ、なにかと忙しい日々。遅れましたが、ご容赦を。
XC-2配備に絡んでのことですが、Sigonarazu2さまの質問は、「自分は“外交と軍事は両輪”と考えるが、日本共産党は防衛、国防についてどういう考えか?。自国の主体的な軍事力は容認ですか?それとも、“平和外交(話し合い)によりあらゆる問題は解決できる、従って軍事力は放棄”という考えか?」というものです。
ご質問への直接的な回答になっていない部分もありますが、回答のベースになること、思いつくままに書いてみます。
世界的な大きな流れを見る
ひとつは、世界をもっと大きくみたいということ。
石破さんや前原さんたち(だけじゃありませんが)、日米軍事同盟を絶対視して、軍事一体化を深化させる主張にふれるたび、この人たちのなんと「視野の狭い」ことよ、と私は思うのです。
アメリカと覇権を争ったソ連の崩壊から20年たちました。当時私は、「巨悪の崩壊だ、これで世界の重しがはずれた、世界は変わるぞ」と、喜んだことを覚えていますが、その変化は私たちの予想を超えるものでした。
「アメリカ一極の支配の時代か」という思惑もはずれて、軍事的にもイラク戦争は失敗し、経済的にもアメリカ発で始まった世界経済危機が、そのアメリカの終焉のときをつげています。
広がる共同体/クリックで拡大します
左のようなパネルをつくってあちこちの小集会でお話したこともあるのですが、EUは経済同盟から政治同盟へと前進し、軍事同盟だったASEAN(東南アジア諸国連合)は東南アジア友好協力条約(TAC)、25カ国、地球人口の57%が参加する巨大な流れに成長し、EU,アメリカも正式に加入。今年11月には、アメリカとカナダをのぞく南北アメリカ大陸の33のすべての国が参加する「中南米・カリブ海諸国機構」も創設されます。中南米が「米国の裏庭」といわれた時代も終わったのです。
いま、国連に加盟する192の国々が、対等・平等の権利をもって、世界政治の主役となる新しい時代が到来しようとしています。アメリカが「超大国」の論理で、世界を動かせる時代は終わっています。パレスチナ国連加盟をめぐるこの国連総会を見るだけでも、そのことを実感しませんか。
この時代の大きな変化を見出せず、いまもって、「世界といえばアメリカ」、「紛争解決の手段といえば軍事」しか思い浮かばない方たちの政治的貧困を思わずにいられません。
軍事一辺倒を超えて
新しい世界にあっては、新しい付き合い方が必要です。
たとえば、東南アジア友好協力条約(TAC)は、締約国相互の関係について、その基本原則を次のように定めています。
■主権・領土保全等を相互に尊重
■外圧に拠らずに国家として存在する権利
■締約国相互での内政不干渉
■紛争の平和的手段による解決
■武力による威嚇または行使の放棄
■締約国間の効果的な協力
くわしくはこちらをお読みください。
平和のなかにこそ、地域全体の、それぞれの経済の、発展の道がある・・・平和の地域共同体づくりという、この大きな流れに身を寄せ、貢献する、“日本の平和”を考えるなら、まずもっては、その努力こそ土台のはず。しかし日本政府は、こうした地域共同体形成へ主導的だったことはありません。
その片方で、なにか揉め事が起きると、すぐ、「防衛だ」、「叩く力を」と盛んなわけです。
言いたかありませんが、私はいま“軍拡利益共同体”という言葉を思いつきました。わかりますよね。“原発利益共同体”に引っかけた言葉です。“軍事的脅威“が大好き。何かあれば解決策は、すぐ”軍拡“です。アメリカのそれも含めた巨大な軍産複合体が政治を支配、肥え太る構造です。
果たしてこの構造のもとで、ほんとうの“防衛”や“国防”はあるのでしょうか?
「平和外交」とは、厳しいたたかい
とはいっても、世界はきれいに、一直線で前進しているわけではありません。世界にはまだ紛争も絶えず、前進もあれば後退もあります。その局面、局面で、日本はどう対応すべきか、役割を果たすべきか、も問われます。
出来事のすべてについて、語ることなどできませんが、たとえばイラク。たとえばソマリア、たとえば北朝鮮について。
イラク戦争に小泉政権は、“国際的平和貢献“だとして自衛隊を派兵しました。私たち日本共産党はこれに、「国連も無視したアメリカの侵略戦争に加担するもの」と、厳しく反対しました。結果はどうだったでしょうか。開戦の口実となった「フセインによる大量破壊兵器」はまったくのウソだったことはいまや明白、イギリスではブレアの責任まで追及されています。
それぞれの紛争にはそれぞれの理由があります。ソマリアでいえば、なんといっても想像を絶する貧困でしょう。「日本のエネルギー確保」と、自衛隊を派遣していますが、事態は悪化するばかりで、また1年延長です。憲法9条を持ち、経済的には比肩しようもない経済力を持つ日本には、もっと役立つ貢献の仕方があるのではないでしょうか。
金正日などいう人物はほんとうに困ったものですね。核、拉致、ミサイル・・・北朝鮮とのあつれきは枚挙にいとまがありませんが、私は、国際的な常識も通じない、こんな国ならばこそ、“やっつけろ”式の短絡的な対処、こちらが道理を問われるような対処をしてはならず、道理をもって働きかける粘り強いとりくみが大事だと思うのです。ときには経済制裁も必要でしょう。まずは、6カ国協議など国際社会のなかに引っ張り出すことです。
私たちが「平和外交」というと、寝ぼけたことを言っているかのように受け止める方も少なくないようですが、「平和外交」とは、そんな安易なことではありません。個々の紛争やあつれきの正しい性格づけ、それそった、原則的で機動的、能動的な外交力が問われる仕事なのです。
その点で戦後の、自民党から民主党までの外交力、情けない限りです。「日本の影が薄い」、「アメリカを見ていれば日本がわかる」と言われる始末ですから。ぜひ、北方領土や尖閣列島をめぐる日本外交の歴史、日本共産党の見解、北朝鮮と日本共産党とのたたかいや拉致問題での役割など、お勉強くださいませんか。外交力とはこういうことかなど、お分かりいただけると思います。
急迫不正への対抗措置は
以上のことを踏まえたうえでの話ですが、たとえば、よく言われる「北朝鮮が攻めてきたらどうする?」という話。現実政治であまり考えられないことですが、急迫不正の事態にどうするか、理論的には検討が必要な問題で、日本共産党は、第21回党大会決議で次のように述べています。
「わが国が独立・中立の道をすすみだしたさいの日本の安全保障は、中立日本の主権の侵害を許さない政府の確固とした姿勢と、それをささえる国民的団結を基礎に、急迫不正の主権侵害にたいしては、警察力や自主的自警組織など憲法九条と矛盾しない自衛措置をとることが基本である」
この実現には、国家と国民とのあいだの大きな信頼関係が必要ですよね。政府が国民から信頼される・・・当たり前のことですが、5年間に6人もの首相交代。当たり前でない現実を、国民が打開するたたかいもなければ、できないことですね。
伊勢崎賢治さんについて
伊勢崎賢治さんについて、私もそんなに知っているわけではありませんが、国連職員として世界の紛争地に赴き、内戦を終わらせ、平和を取り戻す仕事に従事。敵対する戦闘集団と交渉、武装解除、動員解除、兵士の社会復帰を実現させる仕事に命を賭けてきた方で、その現場経験から、アメリカに振り回されない外交、憲法9条を活かした国際貢献など、多彩に発言されています。
私たち憲法擁護派にも厳しい問題提起も少なくなく、他に余人をもって代えがたいこの方の発言はとても刺激的です。







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