美しい中海を取り戻す

五 人 目 の 登 場 は
堤防を開削させる会会長

門脇 英隆 さま

p-kadowaki.gif
この広場登場の5人目は、中海の堤防開削でがんばる門脇英隆さん。銀行を退職 後、"地域へのお返し"と自治会長のお仕事に、公民館活動などにとお忙しい日々。 この春以来、中海の運動の先頭にたたれる64歳。

04年9月27日/芝町のご自宅で

入れ食いだった、かっての中海

定岡 大の釣りファンとのこと。いつから?
門脇 船を買ってでるようになったのは、もう20年も前かな。その前にはゴムボートで出ては釣っていたが、エノハなんか入れ食いだった。銀行の外江の店にいたときは、朝出勤前に同僚とゴズ釣り。いまの木工団地のあたりだったが、ゴズがダンゴになっていたもんだ。
定岡 今年、アオデガニが結構獲れているとの話ですが・・。
門脇 結構、型の大きいのが。クルマエビもたまに獲れるらしい。いまはエノハが、江島大橋の下辺りでよく釣れている。中海再生への期待をかきたてるものなら良いが。
定岡 三方を海にかこまれた境港にとって、とくに沿岸漁業、内水面漁業のこれからにとって、中海の自然をとりもどすことは大きな仕事です。

懸命な、市民のとりくみ

門脇 両堤防を開削して漁業環境を回復すれば、50億円の水産資源の水揚も期待できるという研究者の話を聞いた。境港全体の水揚げがいま約180億円ぐらいだったと思うから、とても大きなものだ。外海と違って中海では油はあまり焚かんし、シケの心配もない。春に署名をやったとき、「なんで島根県知事が堤防開削に消極的なのか、ようわからん」という人がいたが、まったくそのとおりだ。
定岡 堤防の開削と中海の自然を取戻す、その署名ですが、この春から米子、境港で大規模な緊急署名がとりくまれ、二度にわたって上京団もくまれ農水省に4万余の署名が提出されました。境港では門脇さんが会長となって『堤防の開削をさせる会』、ずいぶんがんばられました。
p-kadowaki2.gif

ご機嫌の門脇さん

門脇 外江公民館でも50人ぐらいだったと思うが、中海を守る住民会議の岩田武彦さんをよんでの学習会。市民会館で島根大学の相崎教授。8月には水産庁の幹部職員と漁業者の懇談会・・これには約30名の漁業者がかけつけ、口々に中海再生への漁業者の願いを訴えていました。
署名も、店のカウンターに置いて、400越す署名を集めた釣具店、自分で署名簿を増し刷りして、200余集めた水産加工会社の社長さんなど、みなさん、一生懸命でした。署名運動は「堤防開削は周辺住民の圧倒的な意思」ということを示す運動になったと思う。

堤防開削は、周辺住民の圧倒的な意思

定岡 門脇さん。腰が軽いといっちゃ悪いかな。動きが早い。すぐ街中に駆け出される。
門脇 いまが一番大事なときで、鳥取県側は、開削は絶対でがんばっているが、島根県は消極的、農水省は自然の再生とか、環境の回復という考えはまったく見えない。堤防開削は4者協議(*)に委ねているといって、早く水門撤去してお終いにという態度がありあり。成り行きを住民がしっかり監視していなきゃなにするか。

目前のことに、立ち向かってこそ人生

定岡 そうですね。
門脇 ここで生まれ育って、ここで死ぬつもりの人生だけれど、障害を抱えた人が、それに立ち向かっているように、誰も、自分がぶつかったことに立ち向かって生きている。私の釣りは趣味で、これで食ってるわけじゃないが、海へ出ていて、つくづくこのまま死の海にさせちゃならんと思う。海が好きで釣りを人生の友として生きてきたものとして、見過ごすことができない。そんな気持ちで動いているだけですよ。
定岡 すごいことをおっしゃる。さすがの方で、来てよかったです。ありがとうございました。


***************************************************
4者協議とは

中海淡水化事業の中止にあたって、森山、大海崎堤防の扱いをどうするか、農水省、国土交通省、島根県、鳥取県が協議する機関で、断続的に開かれている。農水省はシュミレーションの結果、堤防を開しても水質は大きく改善されないとして、このまま島根県に譲渡する方針。島根県も道路利用を優先し開削には消極的。鳥取県は、「元の姿に返すのが自然へのエチケット」(片山県知事)として、堤防の開削を求めている。